ホール落語といわれる落語会には色んな形があります。独演会や二人会・三人会、師弟で行う親子会なるものまで。
その中で、一風変わった変化球企画で開催する落語会もあります。
ということで、私の行った落語会の中でそんなちょっと変わった企画の落語会を紹介します。

俺のカジカザワ

名作古典落語『鰍沢』を柳家喬太郎、入船亭扇辰、三遊亭白鳥の三人がそれぞれアレンジして披露する会。
『鰍沢』は吹雪舞う甲州の鰍沢を歩いていた男が、立ち往生して近くの民家に泊めてもらうことから始まる、背筋も凍るサスペンスです。会が開かれたのは真夏。怪談ではなく『鰍沢』で涼しくなりました。
●出演:柳家喬太郎、入船亭扇辰、三遊亭白鳥
●日時:2021年8月21日
●会場:イイノホール
- 柳家喬太郎『鰍沢 零』
『鰍沢』の前日譚である自作の新作落語『鰍沢 零』を披露。 - 入船亭扇辰『鰍沢』
古典落語名作『鰍沢』をそのまま演じる。 - 三遊亭白鳥
改作落語『鬼コロ沢』。落語界の人間模様を描く内輪話。
プーク人形劇場 秋の大新作落語まつり

プーク人形劇場で開かれた秋の大新作落語まつり!
1929年に誕生した人形劇団プークが1971年に作った劇場。もちろん人形劇の公演も行われていますが、貸し劇場としても可動しています。
そんなプーク人形劇場で開催されるのが「新作落語まつり」です。今回はなんと5日間に渡る新作落語まつり。1日7高座×5日という新作落語好きでさえお腹いっぱいになりそうな会。
キャパも100席ちょっとの小さな劇場ですが、トリは柳家喬太郎、春風亭昇太、林家彦いちなどの人気落語家が出演する豪華なまつり。私が行ったのは3日目です。
●出演:三遊亭白鳥、林家きく麿、古今亭今輔、柳家小せん、三遊亭れん生、三遊亭青森、林家十八
●日時:2021年10月22日
●会場:プーク人形劇場
- 三遊亭白鳥『豊志賀ちゃん』
浅草演芸ホールも登場する『真景累ケ淵 豊志賀の死』を元にした名作新作落語。 - 林家きく麿『半ソボン』
半ソデ半ズボン姿の社員の採用に納得いかない社長の噺。 - 古今亭今輔『ハードボイルドのカリスマ』
ハードボイルド作家「北山謙三郎」が地元を訪ねる密着取材中、あるきっかけで隠していた秘密がバレてしまう。
柳昇の孫弟子たち

新作落語の大家「春風亭柳昇」の孫弟子にあたる三者が三様の新作を公演。
2003年に亡くなった五代目春風亭柳昇さんは新作派の大御所でした。ですので、その弟子もさらに孫弟子にも新作派の落語家が多数。今回出演の孫弟子にあたる三人と、弟子の瀧川鯉昇さんが得意の新作落語を披露してくれました。

●出演:春風亭昇々、瀧川鯉八、昔昔亭A太郎、〈ゲスト〉瀧川鯉昇
●日時:2021年9月1日
●会場:内幸町ホール
- 春風亭昇々『待ちわびて』
120歳のお爺さんと100歳のお父さん。その面倒をみる70歳の義理の娘との笑い噺。 - 瀧川鯉八『おはぎちゃん』
大して可愛くもないのに大人気アイドルになった「おはぎちゃん」とそのファンの噺。 - 昔昔亭A太郎『迷答』
落語家がインタビューに答える様子を描く落語。 - 瀧川鯉昇『粗忽の釘 ロザリオバージョン』
粗忽の釘の改作落語。ロザリオは十字架のようなもの。それがキーになります。
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