真打の平均年収約600万円〜3千万円以上!
現在東京の落語家は2017年時点で545人。
真打落語家は352人(全体の65%)で、生活できる落語家は100人とも。
しかも現在落語家になりたい人が後を絶たず、入門の順番待ち状態!
▼平均年収のまとめ情報
◎前座約360万円
◎二ツ目約500万円
◎真打約650万円
◎有名落語家&笑点メンバー約3千万以上
この記事では、寄席・ホール落語・出張落語でのギャラ、さらに落語家さんが実際に話したギャラ事情についてご紹介していきます。
【寄席の場合】寄席のギャラは安い⁉
東京には主に4つの寄席「池袋演芸場、新宿末広亭、上野鈴本演芸場、浅草演芸ホール」があります。
寄席は落語家が毎日出演する専用演芸場のようなもの。かっこよくいえばフェス⁉。
演芸場は落語家が運営してるものではなく、各企業が運営しています。
基本的には全員の落語家が出演できるわけでなく、落語協会&落語芸術協会に所属する落語家しか出演できません。
寄席は落語家にとって大切な修行の場であり、収入をえる場所となってます。
※立川一門や三遊亭円楽一門は出演できません。
寄席は全然稼げない?
ギャラは最高1万4,500円⁉
寄席での出演料は演芸場側から入場収入を折半する形で落語家に支払われます。
なので寄席のキャパ&チケット代&出演者人数、さらに落語家としてのランクによって貰える金額が違います。
寄席のギャラ計算基本情報
- 寄席は主に4つ。出演者候補470人。
- 基本固定出演者で10日毎に変わる。
- 平均入場料3,000円
- 出演者は協会と演芸場が話し合って決める。
- 演芸場と出演者で入場収入を折半。
- 出演料分配基準は「トリ→経験・人気度→一般」
上記の計算は満席になった上で、出演者全員に均等に分けた場合の金額です。しかも、寄席に出演する候補落語家は現在470人。
つまり寄席に出演できる落語家も少ないので、稼ぐ場所というより、力を付ける場所といったほうがいいかなと思います。
【ホール落語の場合】収入のメイン⁉
寄席には特定協会の所属落語家、またその協会落語家全員が出演できないので、多くの落語家にとっては、いわゆるホール落語が収入的にメインになってきます。
ホール落語とは、各地のホールを借りて落語会を開くこと。
いわば、寄席がフェスなら、ホール落語はコンサート。
ホール落語の基礎情報
売れっ子落語家なら出演料100万円以上⁉
笑点メンバーや大人気落語家になると、出演料100万円以上とも言われます。
立川志の輔や春風亭一之輔クラスになると、1,200席の会場を1人で埋めることができ、さらにミュージシャンのライブと違い、施設整備にそこまでお金がかからない点も、高い収入が得られる理由だと思われます。
▼ホール落語のギャラ計算基本情報
- イベンターや会場運営者、所属事務所や自身の作るマネージメント会社が開催する。
- 主に独演会、二人会、三人会、一門会、親子会(師匠と弟子)などがある。
- 二人会や三人会は仲のいいもの同士や、イベンターが今組ませたい落語家などを出演させる。
- 出演者は単独か複数か、地方か都会か、持ち時間などでギャラは異なる。
- 自分で主催なら経費以外の入場収入がギャラ、ブッキングされた場合のギャラは出演料。
- 会場でのグッズ販売等での副収入もある。
ホール落語のギャラは二種類⁉
色々と細かい条件やイベンター等との関係性等、中間に入る業者の数にもよりギャラの仕組みは決まるので、あくまで興味本位レベルで見てください。
❶ブッキングパターン
基本的にはイベンター、ホール会場自体、地方公共団体、企業等が落語会や講演会や企業研修等に落語家さんを呼ぶパターンです。
入場者数とか関係なく、出演料を払ってブッキングするパターン。
会場の大きさや独演会や二人会や一門会など、その落語会の扱いや持ち時間によってかなり変動すると思いますが、いろんな落語家さん(三遊亭白鳥、立川吉笑等)のHPの情報をまとめると下記になります。
▼ギャラの目安
- 前座〈5千円~3万円〉
- 二ツ目〈3~5万円〉
- 若手真打〈10万円〜〉
- ベテラン真打〈20万円〜〉
- 人気落語家〈30万円〜〉
- 大人気落語家〈100万円以上〉
前座はまだ自分で仕事を取れる立場ではないので、おそらく師匠や一門の落語会などで起用されたりするパターン。
二ツ目になると自分で仕事を取らなければならないので、実力をかわれてメインの落語家やイベンターから起用されるパターンなどが考えられます。
❷落語会開催パターン
自身の個人事務所で独演会を開催したパターン、プロモーターさん側と落語家が交渉して落語会収入に応じて歩合給払いされるのパターンなどがあります。
ただ、例に上げるキャパ100人規模の独演会レベルでも、落語好きに名前の知られた落語家しか開催するのは難しいし、そのレベルの落語家だとおそらく個人事務所は持ってないと思います。
もちろん正確ではないですが、お遊び感覚で計算しました。
春風亭一之輔さんが自分で落語会を開催した場合
今一番の人気落語家といわれる「春風亭一之輔」さんが、ご自身の個人事務所で落語会を開催した場合はいくらになるか。
あくまでネタ話として考えてください。
ギャラに関しての落語家発言
春風亭一之輔さん
他の落語家のギャラを見てしまった!
ある日、一之輔さんのもとにイベンターさんからFAXがきたそうなのですが、そこに自分以外の落語家さんの出演価格表が書いてあったそう!
落語家の名前の横に「二人会→〇〇円」「独演会→△△円」。
それをみて一之輔さんは驚いた。そして次々と疑問が。「後輩とのギャラ格差こんなあるの⁉」「師匠はこんな高額出演料もらってるの⁉」などなど。
それで一之輔さん思い切ってベンダーさんに聞いて見たそう。
「今回ご依頼の仕事。私と〇〇師匠と前座の3人でキャパ500人の会場。満員になったとして、この3人のギャラの合計が〇〇〇円。会場使用料がおおよそ△△△円。御社の取り分が約□□□円……。他にも間に数社入っているのか、はたまた御社が法外に儲かっているのか……この際出演料についてお話しさせて頂けませんかねぇ……」
https://dot.asahi.com/wa/2021121500032.html?page=1
担当者は相当慌てて、内密にしてほしいと懇願!
後日、出演料が「口止め料」のつもりか数千円上がっていたそうです(笑)
三遊亭白鳥さん
自分の出演料もなにもかもぶっちゃけます!
HPに書かれた時期が不明ですが、出演料は15万円~要相談とあり。
白鳥さんは正直ですw。交通費込み5万円は後輩の手前があるので難しいので、代わりに後輩落語家紹介します。またグリーン車じゃなくてもOK!ですが、高速深夜バスは勘弁してくださいとのこと。
ちなみにこんな面白い話もHPにありました。
銀座で宝石商を営んでいる会社から連絡があり、今度お客さんを連れてラスベガスに旅行に行くので、一緒にきてホテルで落語してほしいのですがどうですか?との依頼。
ギャラは100万しか払えないのですが…と来たそう?
白鳥さんの答え:必ず行きます。馬遊君ちょっと用事が出来たので日本橋亭キャンセルね。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hakutyou3/sigoto.htm
立川吉笑さん(2018年時点)
ギャラの相場は下げたくない!落語界の融通とは?
現在二ツ目で相場3万円~5万円クラスと自分でおっしゃる吉笑さん。
問題は2万円の仕事依頼がきた時。休みなら受けたいが、あえて断って普段1万円が相場の後輩にこの仕事を譲るようにしているそう。
損してると思うこともあるけど、自分も先輩からまれに6万円くらいの仕事を譲ってもらえることがあるとのこと。こういう持ちつ持たれつの仕組みが落語界にあるそうです。
吉笑さんは結構ギャラ話をタブーなく話される人です。
ある落語会からオファーが届き、喜んで出演することにした。その後で、会の模様を収録して某局で放送すると伝えられたから、驚いている今。
— 立川吉笑 (@tatekawakisshou) July 8, 2020
「出演させてあげます」「放送してあげます、良かったですね」みたいな感覚なんだろうけど、舐めてもらっては困る。
全てはギャラ次第だ。
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