落語界には大きな派閥や団体が4つあります。落語協会、落語芸術協会、落語立川流、五代目圓楽一門会。
その中でも2大派閥なのが落語協会と落語芸術協会。
しかし、2大派閥といっても決して両巨塔というわけではなく、落語協会が落語家の数でも人気でも上でした。
もともと4大派閥が落語協会から脱退して作られたということもありますが、落語芸術協会はどうしても力が弱かった。
しかし今、落語芸術協会からも様々な人気スターが出現し、若手も育って来ています。そんな落語芸術協会の過去と現状についてご紹介します。
落語芸術協会の基本情報

●落語芸術協会の体制
【会長】春風亭昇太
【副会長】春風亭柳橋
【理事】三笑亭夢太朗、桂歌春、柳亭楽輔、柳家蝠丸、桂伸治、瀧川鯉昇、桂小文治、桂小南、桂竹丸、三遊亭遊吉、桂文治、春風亭柳好、三遊亭圓馬、桂米福、田澤祐一
●代表的な落語家
春風亭昇太、桂米丸、桂米助、三遊亭小遊三、瀧川鯉昇、桂竹丸、桂文治、神田伯山、桂宮治
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●落語芸術協会の誕生
昭和5年日本芸術協会誕生→昭和52年落語芸術協会に名称変更
●落語団体の勢力図
落語芸術協会166人(29%)、落語協会310人(54%)、立川流57人(10%)、圓楽一門会37人(6.5%)
●出演できる寄席
新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場
※上野鈴本演芸場は落語協会のみ
●所属落語家の階級
真打ち102人、二つ目47人、前座16人など
●所属の亭号ランキング
【1位】三遊亭・桂各38人
【2位】春風亭29人
【3位】瀧川12人
【4位】三笑亭8人
【5位】笑福亭7人
【6位】柳亭6人
【7位】昔昔亭・立川各5人
【8位】柳家4人
【9位】雷門・古今亭・春雨や3人
●笑点メンバーの所属してる協会
・落語芸術協会/春風亭昇太、三遊亭小遊三、桂宮治
・落語家協会/林家木久扇、林家たい平
・圓楽一門会/三遊亭円楽、三遊亭好楽
落語芸術協会の誕生の歴史

落語芸術協会を含む4つの団体は大正12年にできた「東京落語協会」が大元です。
それまで大小様々な派閥が形成されていましたが、関東大震災で被災をうけた落語家達が、五代目柳亭左楽の音頭のもと協力しあおうということで産まれたのが「東京落語協会」でした。
しかし一年後に結局各派閥に分裂してしまい、東京落語協会と源流とする落語協会が誕生。
そして、昭和5年に六代目春風亭柳橋と柳家金語楼が「日本芸術協会」を設立し、昭和52年に今の「落語芸術協会」となります。

落語芸術協会の落語家は人気がない⁉

柳家小三治、林家正蔵、柳家喬太郎、春風亭小朝、林家たい平、春風亭一之輔、柳家三三さんなど、人気落語家が揃いも揃う落語協会に比べ、春風亭昇太や三遊亭小遊三等はいても、どうしても人気がなかった落語芸術協会。
そんな落語芸術協会の現状を憂いだのか、2012年の落語芸術協会の納めの会で新宿末廣亭席亭が「落語芸術協会が出演する会は客入りが悪い」ときつい苦言を呈します。
しかも、更に踏み込み、こういった状況が続くなら「円楽一門会や立川流と一緒になってほしい」と発言。
これを聞いた落語芸術協会副会長の三遊亭小遊三さんも、協会側も発言を重く受け止めるとのコメントを出しました。
実は、円楽一門会は2011年に落語芸術協会への合流を申し入れたそうですが、それは落語芸術協会の会議で否決されました。
若手台頭!若手落語家ユニット「成金」
落語協会に比べて人気の格差があった落語芸術協会。しかし2013年に若手が奮起してあるユニットを作ります。その名も「成金」。
メンバーの中には今をときめく、神田伯山、桂宮治などが勢揃い。もちろん今や人気・実力を兼ね備えた彼らも、結成当時はまだ二ツ目の落語好きが知ってる程度の人たちでした。
しかし、この2013年結成、2019年に解散した落語芸術協会二ツ目ユニットの人気が爆発します。一大ブームとなり、落語家はもちろん落語芸術協会の人気向上にも貢献しました。
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落語芸術協会所属の代表的な落語家
落語協会には柳家喬太郎、春風亭一之輔などの人気落語家が所属していますが、もちろん落語芸術協会にも人気落語家がいっぱいいます。
ということで代表的な落語家を紹介します。
春風亭昇太
新作落語の大家として名を馳せた、春風亭柳昇の弟子で笑点の司会でお馴染み。若手の頃から独特の新作落語が認められて、その後人気・実力を兼ね備えた新作落語復興の立役者の一人。
弟子の春風亭昇々、春風亭昇也なども人気落語家へのステップを歩み始めてる。2019年6月より落語芸術協会会長。
瀧川鯉昇
一見すると怖いが実は温厚な人柄。ひょうひょうとしていて、舞台映えする特徴的な顔と、ニカっと笑うと飛び出す歯、飛び出すギャグ、自虐も混じったマクラ。高座で爆笑をかっさらう。
新作落語も改作落語も古典落語も得意。弟子の瀧川鯉斗や瀧川鯉八などは人気上昇中。
桂米助
隣の晩ごはんやテレビ等でおなじみ桂米助さん。今や落語系ユーチューバーとしても大人気。様々な若手やいろんな協会の落語家さんとも絡んでいます。現在74歳。
しかも、TwitterにInstagramまでやってます。メディアにも積極的に進出しているだけあって、その突撃精神はさすがの一言。
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神田伯山
忘れ去られていた芸能といってもいい、講談の魅力を世の中に知らしめたニュースター。その血気迫る語りにより人気が爆発し、それに比例するようの「成金」の人気を牽引した神田伯山。
今やテレビ、ラジオ、YouTubeにも積極的に出演。講談ならではの魅力である、長編の講談を続きものとして数日間にわたり読みあげる「連続読み」にも取り組んでいる。
2020年2月に真打昇進し大名跡の六代目「神田伯山」を襲名。
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桂宮治
2021年2月、真打昇進。しかも落語芸術協会の落語家としては、春風亭昇太会長の以来29年ぶりの5人抜きでの抜擢真打。演劇人になることに挫折した後、化粧品の店頭販売員として営業成績トップを誇っていた宮地さん。
しかし、自分の中のモヤモヤを解消できず、自分が夢中になれるものを探していた時に落語に出会い落語家の道へ。その実力は二ツ目時代より際立っていた。
NHK新人演芸大賞を受賞するという快挙も成し遂げ、エネルギッシュな落語を披露する「令和の爆笑王」はついに笑点のレギュラーまで上り詰めた。
瀧川鯉八
法政大学を卒業後、悶々とした日々を過ごした後に落語家に転身。奇想天外なぶっ飛んだ新作落語オンリーの特異な落語家街道まっしぐら。2020年5月、真打昇進。
ちなみに、新作落語ではストーリーはほんんどなく、シュールな設定と語り口で話がどんどんおかしな状況に陥って爆笑を呼ぶ。
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