初心者のために古典落語のあらすじをご紹介!
今回ご紹介する演目は『二番煎じ』。休憩所の番屋に集まってそこから火の用心の見回りいく町内の旦那衆。ほんとは飲んではいけないのに番屋で酒を飲む。そこに役人がやってきたからさあ大変。
『二番煎じ』のあらすじと感想
“悪いことは見つかる”
.滑稽噺.
簡単なあらすじ
冬の寒い夜、火の用心を呼びかけるために、町内の旦那衆が番屋に集まった。
人手を半分に分けて、交互に夜回り番と留守番を務めようということにした。そうすれば半分は番屋のなかで暖かい火にあたることができる。
第一陣の夜回りが出発。あまりに寒いので、両手を出して拍子木を叩くこともできない。提灯を股の間に入れて暖をとる者もいて、まともな火の用心ができないまま町内を回り、番屋に戻る。
今度は番屋で火鉢を囲んで暖をとる。一人が、この寒い夜に出かける親を気遣って、娘がふくべ(ひょうたん)に酒を入れて持たせてくれた、と酒を出す。
番屋には役人もやってくるので、本来はここで酒を飲むのは許されない。月番は困った様子を見せながら、土瓶のなかをあけてきれいにして持ってこさせる。
ここに酒を移して、風邪の煎じ薬ということにした。火鉢に乗せれば燗になるので、ちょうどいい。すると、うちの娘も気遣って、とほかの旦那衆からも酒がでてきた。
次いで酒の肴に、イノシシの肉、ねぎ、味噌も出てきた。さらにシシ鍋用の鉄鍋も。一同で酒を飲み、シシ鍋を食べ始めたところ、「ばん、ばん」と言う声が外から聞こえた。
見回りの役人がやってきたのだ。あわててシシ鍋を股の下に隠す。役人が土瓶の中身をたずねるので、風邪の煎じ薬ですと答える。
役人は自分も風邪気味なので、と茶碗に煎じ薬を入れさせて飲む。「まさしく煎じ薬じゃ」と役人。「うむ、もう一杯」と、どんどんお代わり。シシ鍋も見つけて食べてしまう。
土瓶の煎じ薬は、もうなくなった。役人はもっとないかと言うが「もう一滴もございません」と断った。
役人「拙者、もう一回りしてくる。その間に二番を煎じておけ」
時間がない方へ超要約こんな話
火の用心で町を練り歩くために町内の旦那衆が集まった。休憩所の番屋に集まり、見回りをして休憩して、見回りをして休憩する。本来番屋では酒などは飲んではいけない。でも酒をのみつまみに、シシ鍋をして一杯やっていた。
そこに役人がくる。役人が酒の入った土瓶の中身を尋ねたので、慌てて風邪の煎じ薬ですと嘘をつく。しかし、役人はそれはいい私も風邪っぽいのだと、飲み干す。されにシシ鍋を食ってしまう。
役人はニヤッと笑い、二番煎じを作っておいてくれといって、見回りにいく。
落語好きの視点
落語会で聴いた兼好さんの『二番煎じ』が面白かったので紹介。
火の用心で町内をまわる五人組の各々の設定が実に念入り。まるで、ちょっとした群像劇のよう。
●カシラ、謡の黒川先生、宗助さん、近江屋さんが、噺の舞台廻し役の月番であるわたしにイジられる。そのイジられ方が、月番と幼なじみであるとか、今夜初めて代役で顔を出したとかで変わってくるので、面白い。ここまで細かい設定を施してある『二番煎じ』は兼好さんだけではないか。
●みんながそれぞれ自分のキャラに合った「火の用心〜」のセリフを披露するところもとても楽しい。
- 黒川さんが謡の先生という設定なのは、そのきっと兼好さんが本格的な謡を披露したかったからだと思う。「いよ〜、ちょんちょん、やっほ〜、火の用心〜」と兼好さんの声が冴え渡る。
- 番小屋に帰って、土瓶で温めた酒を飲む。こくこくこく、とノドを通り、舌とノドがタンと鳴る。兼好さん、実に良い音を鳴らす。もうこれだけで好き。
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