懐かしいベッカムヘア⁉おでこにかけるメガネがトレードマークの三遊亭遊雀師匠。
豊かな表現力で爆笑を巻き起こす落語家。
酒豪でもならし酒の席での失敗で師匠と喧嘩し、破門になるなど破天荒な一面も。そこのとこも含めて三遊亭遊雀さんの経歴・演目・評価などをご紹介します。
プロフィールと経歴
▼落語家になるまで&なった後
- 日本福祉大学時代に落語研究会に所属。
- 大学を中退し1988年2月に三代目柳家権太楼の下に入門。前座名は「さん太」
- 1991年10月二ツ目に昇進。「柳家三太楼」に改名。
- 1995年に北とぴあ大賞を反対俥で受賞
- 1995年NHK新人演芸大賞落語部門大賞を反対俥で受賞。
- 2001年9月に真打昇進。
- 2006年彩の国落語大賞を『初天神』で受賞
- 師匠の柳家権太楼と喧嘩し破門になる。
- 2006年10月落語芸術協会の三遊亭小遊三門下に移籍。「遊雀」と改名。
- 2008年国立演芸場主催「花形演芸大賞」大賞を受賞。
▼三遊亭遊雀のエピソード
- 高校時代は陸上競技部に所属。中長距離走がメイン。
- 写真の撮影時にはかけてたメガネをおでこにかけなおす。
- 高校生の時にスーツを着て年齢をごまかし大人な映画館に通う。
- 大学の落語研究会時代には老人ホームなどの慰問などをしていた。
- 酒を飲むと裸になる。
- 神田伯山は遊雀師匠に信頼をおき、2人会や真打昇進・襲名披露公演に数々出演・共演してもらってる。
紆余曲折な落語家人生「破門」の衝撃!
経歴にも書いたように元々落語家になる時は「柳家権太楼」に入門しています。しかし、その後ある事件により破門となり、三遊亭小遊三門下として再出発をしました。
破門の理由は噂やいろんな話があり、真実を本人たちが語ってないので本当のところはよくわかりません。しかも真打になっての破門。
ということで噂として上がってる、また週刊誌にある情報や柳家権太楼さんのHPなどを参考にまとめて見ました。
- 1988年/三代目柳家権太楼入門
- 2001年/柳家三太楼として真打昇進
- 2006年5月6日/柳家権太楼から破門される。落語協会は退会し「柳家三太楼」も返上
- 2006年10月/三遊亭小遊三門下に移籍し三遊亭遊雀と改名
〈噂〉破門の理由は師匠を殴ったから⁉
2006年3月20日頃に酒乱の三遊亭遊雀がガラスの灰皿で権太楼をなぐったという噂。
理由はTシャツ。「円朝まつり」で売るTシャツの担当者の遊雀。Tシャツのデザインを知り合いのデザイナーに頼んだことが理由かは不明だが、度重なるデザイン変更等で期限まで間に合わなくなった。
それに師匠の権太楼が怒り、担当者を変われといったところ、苦労して頑張っていた遊雀が切れて師匠に楯突き口論&殴り合いに発展。
柳家権太楼の曰く「三太楼(遊雀さんの前の名前)が頭を下げてあやまってくればいい。許します」といっているのだが、遊雀さんも意地で謝罪はしなかったのか、師匠への合わせる顔がないと思ったのかそのまま破門となる。
▼2006年5月8日柳家権太楼のHPでの発表
柳家権太楼門下、柳家三太楼を5月6日付けで破門する。
〈1〉師弟関係が壊れたこと
〈2〉本人が落語に対する情熱を失い、噺家を続けていけないと判断したこと。
この2点に於いて、我が一門から破門ということになりました。従って、(社)落語協会は退会、「柳家三太楼」の名も返してもらうこととなります。
この1ヶ月余りの間、いろいろ考え、本人の気持ちの落ち着くのを待っていたつもりでしたが、このような結果になり、本当に残念な思いです。
その後、遊雀さんは三遊亭小遊三門下に移籍し三遊亭遊雀と改名して落語家として再出発しています。
三遊亭遊雀の魅力とオススメ演目
私が行った落語会より遊雀さんの魅力が詰まった落語をご紹介します。
ちなみに行ったのは2021年11月16日(火)に月島社会教育会館で開かれた「瀧川鯉昇・三遊亭遊雀二人会」。
『三枚起請』のあらすじと感想
遊雀師匠、『三枚起請』に入る前のマクラで、今日のトリは鯉昇師匠にやってもらうように師匠に話して承諾してもらったので、もう自分の仕事は終わったようなものだと言いながらも、いざ『三枚起請』に入ると、会場はやっぱり何度も大爆笑。
あらすじと感想
女ができたと自慢する亥のさんに、相手は誰だと聞く棟梁。亥のさんは起請文(誓紙)を棟梁に見せる。「年期が明けたら、いっしょになる」ことを約束する女郎からの起請文だった。
そこに書かれた「喜瀬川こと本名中山みつ」という名前を見て棟梁の顔色が変わった。棟梁もまた喜瀬川から同じ内容の起請文を貰っていたのだ。二人は二股にかけられていたことを知り、怒る。
そこに現れた清公。二人から起請文の話を聞いたところ、顔色が変わった。清公もまた喜瀬川から起請文を貰っていたのだ。しかも黄瀬川に頼まれ、金を用立ててもいた。腹の虫がおさまらない三人は連れ立って吉原へ。
亥のさんと清公には戸棚のなかと衝立の後ろに隠れてもらい、棟梁が喜瀬川を問い詰める。はじめはしらばっくれていたものの、やがて三人を前にして「こっちは騙すのが商売」と居直る喜瀬川。
棟梁「分かってらあ。起請を書くような汚い真似はするねえ。イヤで起請を書くときは熊野でカラスが三羽死ぬと言うんだ」
喜瀬川「そうかい。あたしはイヤな起請をどっさり書いて世界中のカラスを殺したいよ」
棟梁「カラスを殺してどうするんだ」
喜瀬川「朝寝がしたいよ」
亥のさんが持っている起請文と同じものを自分も持っている。騙されたと気づいた棟梁はもちろんバツが悪い。
「どうして?」と問う亥のさんに、棟梁は眉毛を上下にピクピクさせ、おもむろに満面の笑みで口を開いて「なんでだろうねえ」。
悔しいのを笑いで返す、この見事な演出には笑わずにはいられません。
全編、声の大小・高低に、しぐさも含め、表現力が豊かな遊雀師匠ならではの落語の楽しさがぎっしりつまった一席。
瞬間的な顔芸が時々飛び出すので、目が離せないのと、なるべく前のほうの客席で観たい落語家であることをお知らせしておきますww
YouTube「UJK channel」チャンネル
2020年5月4日に開設されたYouTubeチャンネル。只今登録者数2000人以上!
遊雀師匠が趣向を凝らしたいろんな動画を上げてくれています。
三遊亭遊雀のスケジュール
三遊亭遊雀さんのスケジュールを簡単に確認できるのがチケットぴあ。もちろん寄席だとかぴあで販売してないものは載ってません。
ま、確実にチケットがあるなということはわかります。全部のスケジュールを知りたい方は三遊亭遊雀さんは充実したHPをもっているのでそこをみれば基本的にはわかります。
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