これからも前を向いて歩んでいく。みんな、そして、俺たち。
2021年11月16日(火)、新宿シアタートップスで開かれた「SWA CREATIVE TOUR」へ。
そして本日。おじさんは、創るぜ!喋るぜ!ありがとうございました。 pic.twitter.com/FSoFP7F00q
— 林家彦いち【落語組み手】 (@hikoichikumite) November 16, 2021
新型コロナの影響で公演中止が続き、今回の公演がSWA再始動の実質的なスタートとなる記念すべき公演。新宿シアタートップスのキャパ155人×4回、そのチケットがとれたのは、ただただラッキーでした。
冒頭、四人が勢揃い。昇太師匠より、今回の公演内容について。「過去の自作・他作の作品をチョイスして、改作し、四本の落語を一本につなげている」とのこと。さらに「川つながり」でつくった、とのこと。
一番手、白鳥師匠は大相撲の呼び出しが履く「たっつけ袴」で登場。もちろんアクションをしやすいように。ということで、女子柔道の噺へ。
▼公演情報
◯出演者:三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いち、春風亭昇太
◯開催日:11月16日(火)
◯開演:14:00〜
◯料金:前売3,800円・当日4,000円
◯会場:新宿シアタートップス
▼プログラム内容
〈1〉三遊亭白鳥『青畳の女』
〈2〉柳家喬太郎『雇われ幽霊』
〈3〉林家彦いち『身投げ自演』
〈4〉春風亭昇太『明日に架ける橋』
三遊亭白鳥 『青畳の女』
東京オリンピックにやってきたウクライナの女子柔道選手、アンナ・ビロティ。52kg、175cmのモデルのような美人。アンナは金メダル獲得をめざして東京にやってきたのではなかった。日本のおいしいお菓子を腹いっぱい食べたかったのだ。コアラのマーチ、たけのこの里、いちごポッキーなどなど。お母さんにもお土産をいっぱい持って帰りたい。
アンナは減量のために、ササミとブロッコリーしか食べてなかった。コーチはアンナの望みを最初は拒否するが、アンナの食欲へのこだわりに説得され、金メダルを獲ったらお菓子を食べてもいいと認める。アンナは日本人選手を相手に決勝へ。。
柳家喬太郎 『雇われ幽霊』
夜、三人の男たちが中学校へ忍び込む。三人は卒業生。この学校は廃校になって取り壊されることが決まっている。三人は懐かしさからここへ忍び込んだのだ。
懐中電灯で照らして校内を見て回る。保健室に行くと、当時の橋本さおり先生がいた。教頭がやってきて、ベッドに横になろうとしている。「教頭、学校ではダメ」とさおり先生。実は三人は集団幻覚を見ていたのだ。
やがて学校の幽霊が現れた。幻覚は幽霊の仕業だった。
三人は幽霊にあなたを雇うから、学校の解体工事を邪魔してくれと依頼する。幽霊はそれを断り、語りはじめる。
いろんな人の思いがひとつになって私は幽霊になった。たしかに建物はなくなるけど、思い出は胸のなかにずっとある。わたしも成仏させてください。。
●Profile
芸名:柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)
生年月日:1963年11月30日
出身地:東京都
●芸歴・受賞歴
1989年10月:柳家さん喬に入門・前座名「さん坊」
1993年5月:二ツ目昇進。喬太郎と改名
1998年:NHK新人演芸大賞落語部門大賞
2000年3月:真打昇進
2001年:彩の国落語大賞
2005年:国立演芸場花形演芸会大賞
2006年:芸術選奨文部科学大臣新人賞【大衆芸能部門】
2014年:落語協会理事に就任
2020年:落語協会常任理事に就任
林家彦いち 『身投げ自演』
二十二年間も浅草の四万六千日のほおづき市に通っているものの、なんのご利益もない落語家の紅葉亭どんぐり。
小さな落語会で演った『文七元結』の演出が師匠の怒りを買い「豆腐の角にアタマぶつけて死ね」と叱られる。
どんぐりは、吾妻橋で身投げする人間の了見を体験してみようとして、誤って落下。隅田川を行く東京オリンピック選手村への荷物船に山と積まれた豆腐にぶつかって死んでしまう。
霊となって漂うどんぐりの前に神様が現れた。神様の特別の配慮によって、どんぐりは落語と心中した男として死後の名声が高まっていた。
さらにどんぐりは二十二年間ほおづき市に通ったことで百万ポイントも貯まっていると言う。。
春風亭昇太 『明日に架ける橋』
会社を定年退職している男が二人、ともに奥さんに家から追い出されて、かつて会社に勤めていたときに通っていた隅田川沿いで会う。
二人とも、会社員時代のままの背広を着ていたが、今日は飲もうと決めて、背広を脱いで川に流してしまう。二人に続いてあちこちで男たちが背広を脱ぎ、川に流す。身が軽くなった二人は会社酒場へ。
受付嬢につくり笑顔で迎えられ、まずは給湯室で立ち飲み。オフィス内、仮眠室でもさんざん飲んで、川沿いに出る。見ると、川の水がきれいになっている。
背広に染み込んだ汗や涙、蕎麦の汁などのバクテリアが水を浄化しているのだ。みんな一生懸命やっているんだな。俺たちも大丈夫だ。
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春風亭一之輔、柳家喬太郎、桃月庵白酒、
入船亭扇辰、三遊亭兼好、三遊亭圓生など
大量の落語が聞ける。
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まとめ
川の流れ、時の流れは、人間の営み、個人の人生の象徴
四本のまったく別の噺が、そのディテールで密接に結びついているというSWAならではの展開をたっぷり楽しんだ。
大きなテーマとしては、これまでの人生を肯定し、これからの人生にも前を向いて歩んでいこうというメッセージが込められた素晴らしい公演でした。
隅田川が重要なモチーフなのは、これまでも流れていて、これからも流れ続けるという諸行無常感、そして川の流れ、時の流れを、人間の営みに、個人の人生に象徴させたものであるようです。
メッセージは観客に向けてのものであり、SWAリスタートに当たっての四人の決意でもある、と受け取りました。SWAはこれからも落語界を活性化する台風の目であり続けるのだと思います。
来年2022年4月にも、また新宿シアタートップスで公演を行う予定だそうですよ。
●新宿シアタートップス:URL
住所:東京都新宿区新宿3丁目20−8 TOPS HOUSE 4F
最寄り駅:JR・小田急・京王・丸ノ内線新宿駅下車後東口より徒歩6分
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