【解説】新作落語ユニット「SWA」!春風亭昇太・柳家喬太郎・白鳥・彦いち

SWA 落語雑学
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春風亭昇太」「柳家喬太郎」「三遊亭白鳥」「林家彦いち

落語ファンならば知っている、そう!新作落語家ユニット「SWA」の4人のメンバーです。

2004年に結成し、しばらく活動を休止していた伝説的な落語家ユニットですが、2019年に再始動し、昨2020年はコロナ禍により、12月に名古屋でのみでの開催になりました。

そして2021年11月15・16日、東京・新宿シアタートップスにて計4回の公演がついに開催されます。

今回は、新作落語をメジャーに押し上げた! 新作落語家ユニット「SWA」について!

SWAの情報まとめ
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そもそもSWAってなに?

「SWA」。読み方は「すわっ」。創作話芸アソシエーションの頭文字をとって「SWA」と名付けられました。

2004年、春風亭昇太を中心に、三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いち、神田山陽(講談師)が集まって結成した創作話芸集団「SWA」。当時30代後半〜40代の5人。

各人、それぞれ自分で新作落語(山陽は新作講談)を創作してきた者たちが集まり、ただ単に新作を披露するのではなく、ひとつのパッケージとしてこれまでにないエンターテイメント公演を行うことを目的に結成されました。

2011年解散、2019年再始動。

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SWAのメンバーを紹介!

各メンバーのご紹介。何故か⁉背番号があります。5はご贔屓様用の欠番。

林家彦いち[背番号〈1〉]

落語界きっての武闘派。自らの持ち味を追求した体育会系・熱血系のネタもあれば、不思議なSF系のネタもあり、新作の作風は多岐に渡る。

新作演目/長島の満月、遙かなるたぬきうどん、保母さんの逆襲、蘇民祭2008、全身日曜日、熱血怪談部 など

林家彦いちのProfile

●Profile
芸名/林家彦いち(はやしやひこいち)
生年月日/1969年7月3日
出身地/鹿児島
HPTwitter

●芸歴・受賞歴
1989年/国士舘大学中退後、林家木久扇へ入門。前座名「きく兵衛」
1990年初席、池袋演芸場にて初高座「寿限無」
1993年二つ目昇進。「林家彦いち」に改名
2000年「北とぴあ落語大賞」受賞
2000年NHK新人演芸コンクール落語部門 大賞受賞
2002年/真打昇進

2006年彩の国落語大賞受賞

三遊亭白鳥[背番号〈2〉]

奇想天外な新作落語を次から次へと発表。渡世ブタが主役の「任侠流れの豚次伝」、二人の女流落語家がしのぎを削る「落語の仮面」といったシリーズ作も多く、その壮大な物語をつくる構成力は圧倒的。

新作演目/富Q、豊志賀ちゃん、マキシム・ド・のん兵衛、青春残酷物語、千葉棒鱈、新婚妄想曲 など

三遊亭白鳥のProfile

●Profile
芸名/三遊亭白鳥(さんゆうてい はくちょう)
本名/藤田英明
生年月日/1963年
出身地/新潟県上越市
HPTwitter

●芸歴・受賞歴
1987年7月/三遊亭円丈に入門。前座名「三遊亭にいがた」
1990年3月/二つ目に昇進。「三遊亭新潟」に改める
2001年9月/真打に昇進。三遊亭白鳥」に改める

2005年/彩の国落語大賞受賞

春風亭昇太[背番号〈4〉]

笑点の司会でお馴染み。春風亭柳昇という新作落語の大家の弟子だけあって新作落語復興の立役者の一人。その落語の実力は言うまでもなく高く評価されている。2019年6月より落語芸術協会会長。

新作演目/ストレスの海、力士の春、宴会の花道、花粉寿司、人生が二度あれば、チャッピー など

春風亭昇太のProfile

●Profile
芸名/春風亭昇太(しゅんぷうてい しょうた)
本名/田ノ下雄二
生年月日/1959年12月9日
出身地/静岡県清水市
HPTwitter

●芸歴・受賞歴
1982年/春風亭柳昇に入門。前座名「昇八」
1986年/二ツ目昇進。春風亭昇太となる
1989年/NHK新人演芸コンクール優秀賞受賞

1992年/真打昇進
1990年/にっかん飛切落語会特別賞受賞

1998年/浅草芸能大賞新人賞受賞
1999年/花形演芸大賞金賞受賞
2000年/花形演芸大賞大賞受賞

2000年/文化庁芸術祭演芸部門大賞受賞
2020年/文化庁長官表彰受賞

柳家喬太郎[背番号〈6〉]

実力・人気を兼ね備えた落語界のトップランナー。初心者からマニアまで満足させるその実力は折り紙付! 古典落語・新作落語・怪談の全方位に対応するオールラウンダー。

新作演目/ハワイの雪、同棲したい、午後の保健室、路地裏の伝説、バイオレンスチワワ、派出所ビーナス、ハンバーグができるまでなど

柳家喬太郎のProfile

●Profile
名:柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)
生年月日:1963年11月30日
出身地:東京都

●芸歴受賞歴
1989年10月:柳家さん喬に入門・前座名「さん坊」

1993年5月:二ツ目昇進。喬太郎と改名
1998年:NHK新人演芸大賞落語部門大賞
2000年3月:真打昇進

2001年:彩の国落語大賞
2005年:国立演芸場花形演芸会大賞
2006年:芸術選奨文部科学大臣新人賞【大衆芸能部門】

2014年:落語協会理事に就任
2020年:落語協会常任理事に就任

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SWAの活動

SWAの結成から功績までをご紹介。

SWA以前 そこには三遊亭圓丈がいた

SWA以前、1980年代以降、新作落語のニューウェイブの旗をずっと掲げ続けてきたのは、三遊亭圓丈です。その周りにいたのが、昇太、白鳥、喬太郎、彦いちらの「圓丈チルドレン」

当時、新作落語の位置付けはマイナーであり、圓丈を中心とした新作落語の会は定期的に開催されていましたが、規模は小さく、そこへ詰めかけるのはマニアばかりでした。

現在、落語会では古典落語と新作落語とを別け隔てなく聴くことができます。開かれた落語ファンならば、どっちが上、どっちが下、という意識さえ持たないはずです。そこにはSWAの大きな功績があります。

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SWA結成

昇太を中心に、白鳥、喬太郎、彦いち、神田山陽が結集

もっと大勢の観客に新作を聴いてもらうためには…。ただ単に新作を披露してもインパクトがない。ひとつのパッケージとしてこれまでにないエンターテイメント公演を行う、という目的のために春風亭昇太を中心に結成されたSWA。

そのための方法論は、基本一人ずつでつくらない。メンバー間で議論しつつ、面白い新作・会を作り上げる、というものです。

新ネタの創作を、そのブラッシュアップも含めて共同作業として行ない、ネタおろしの会ではなく、あくまでもパッケージ公演として結実させる。

SWAが目指したのは、立川志の輔の「志の輔落語」と同様、「落語会ではなく、落語エンターテイメント」。SWAプロデュースによる、SWAの4人だからこそ可能な、新鮮な落語エンターテイメントなのです。

※2007年、神田山陽が脱退し、以降は4人に(ただし、それまでも山陽の参加は少なかった)。

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SWA人気爆発

2004年6月の第1回公演が数時間で完売!

春風亭昇太や柳家喬太郎の従来からの人気に加え、SWAというパッケージを新たに組んだことによる期待感が盛り上がり、2004年6月の第1回公演が数時間で完売したことを皮切りに、以降人気は衰えることなく続きます。

これまでの落語ファンに加え「新しくて面白いエンターテイメント」に対して貪欲な若い客、女性たちもSWAの公演に詰めかけたのです。SWAはその結果、落語ファンのすそ野の拡大に大きな役割を果たしました。

またそれぞれの公演は一つのテーマ(企画)がありました。そのテーマにそくした噺を各落語家が創作し演じるのがまた好評となりました。

開催された落語会のテーマ例
  • たかしという人物の11歳〜還暦までの人生をそれぞれ各人の落語家が年代別に演じる企画
  • 自作の創作落語ではなく他の落語家の創作した落語を演じる企画。
  • 4人の噺家の演じたまったく関連性のないような4つの噺が、最後になぜか結びつく。
  • 厩火事や愛宕山などの古典落語のその後の話を創作する。
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SWAの功績

新作落語って面白い!

SWA以前、新作落語は古典落語の下と位置付けられていました。しかし、SWAがこれまでになかった斬新な新作を世の中に発し続けたことにより、またチケットをソールドアウトし続けたことにより、いまや、そういう古典至上主義は過去のものとなりました。

「面白い噺を面白い落語家が演れば、古典も新作も面白い」といういまの当たり前の常識を現実のものにしたことこそが、SWAの最大の功績です。

喬太郎の絶大な人気は、古典・新作ともオールマイティであることに依るということは誰も否定できないでしょう。同じく、オールマイティな昇太が落語芸術協会の会長なのは、まさに象徴的です。

さらに、落語という芸能が、現代に生きる僕たちにとっていまだ新鮮であり続けるということを証明したのもSWAの功績です。いま、新作落語の表現の幅がさらに広がり、新作を演る落語家も増え、落語は現在進行系の芸能になりました。

こうしてSWAは2000年代の始まりの落語ブームを牽引するムーブメントとなり、現在に至っているわけでSWA!

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SWAのCD&DVD紹介

SWA関連のCDやDVDをご紹介します。

CD作品

SWAのCDです。それぞれ趣向を凝らした企画が盛りだくさん!

SWAのCD2006―夏休み―

2006年発売。「夏休み」というタイトルだけあって四者四様の夏休みにまつわる新作。

演目内容
  1. 春風亭昇太「太罪な夏」
    中学生マサルの夏休み大変身物語。
  2. 三遊亭白鳥「明日に向かって開け」
    古典と新作の融合。アクション落語の超大作。
  3. 林家彦いち「掛け声指南」
    ボクシングのトレーナーを目指すタイ人の噺。
  4. 柳家喬太郎「八月下旬」
    小学校の夏休みの終わりに体験したちと甘酸っぱい噺。
SWAのCD2007―明日の朝焼け―

2007年発売。「たかし」という人物の11歳〜還暦までの人生をそれぞれの落語家が年代別に演じる企画。噺が単独では終わらず、次の噺へとつながる。これまでなかった面白い企画。必聴の一大巨編ストーリー!

演目内容
  1. 三遊亭白鳥「恋するヘビ女」
    たかしが11歳小学生の時の噺。
  2. 春風亭昇太「夫婦に乾杯」
    たかしは社会人になり、そして結婚。
  3. 林家彦いち「臼親父」
    たかしは45歳のリストラ候補。
  4. 柳家喬太郎「明日に架ける橋」
    たかしついに還暦・定年。
SWAのCD2011-楽語・すばる寄席シャッフル

2011年7月に行われた「SWAクリエイティブツアー」をCD化。自作の創作落語ではなくメンバーの落語家の創作した落語を演じる企画。本人が演じるほうが面白いのか、他人が演じるほうが面白いのか、聞いてからのお楽しみ。

演目内容
  1. 柳家喬太郎「任侠流山動物園」(白鳥作)
  2. 林家彦いち 「自殺自演」(昇太作)
  3. 三遊亭白鳥 「全身日曜日」(彦いち作)
  4. 春風亭昇太 「火打石」 (喬太郎作)
SWAのCD FINAL-クリスマスの夜に-

2011年末に惜しまれつつも活動休止したSWA。このCDは本多劇場で7日間10公演を行った最後のツアー公演「SWA FINAL」から「クリスマスの夜に」の公演を収録。新作落語家の集団だけに終わらない「SWA」を聴け!

演目内容
  1. 林家彦いち「青畳の女」
  2. 柳家喬太郎「想い出芝居」
  3. 三遊亭白鳥「砂漠のバー止まり木」
  4. 春風亭昇太「パパは黒人」

DVD作品

SWAのDVDです。こちらもバラエティ豊か!

SWAのDVD

SWAが誕生して5年目の2008年。今回の企画はまったく関連性のないような4つの噺が、最後に結びつくというのがテーマの会。1本分の映画をみたような気分にさせてくれるそんな企画。特典としてネタ作りの光景、当日の舞台裏、単独インタビューを20分以上収録。

演目内容
  1. 林家彦いち「掛け声指南」
    タイから日本にボクシングトレーナーの修行にきたムアンチャイ。彼が巻き起こす滑稽噺。
  2. 三遊亭白鳥「奥山病院奇譚」
    奥山病院にはあるこわい話があった。給食のおばちゃん「よしえさん」さんについて。
  3. 春風亭昇太「空に願いを」
    足の遅い雨宮降太が運動会で一等賞をとる約束をする。わらにもすがる気持ちでおじいちゃんに相談すると秘密の儀式を始めた。。
  4. 柳家喬太郎「カラダの幇間」
    手術は成功した。しかし眼を覚まさない。その少女を救うために、ある治療法を試すことに。
  5. SWA紹介
    夢枕獏、京須偕充、高田文夫のインタビューでつづるSWA紹介。
SWAのDVD古典アフター

2011年発売。今回企画は2010年に行った古典落語のその後の話と改作がテーマ。有名名作古典落語を名人級の新作落語家たちが改作&改変で練り上げる。吉とできるか凶とでるか。答えはわかりきってますっ。

演目内容
  1. 三遊亭白鳥「かわうそ島の花嫁さん」
    大工調べ改作。漁師の親方、中国人ヤン、スナックママのロシア人。この喧嘩の結末は。
  2. 林家彦いち「厩大火事」
    厩火事その後の噺。茶碗を割られた男がアドバイスした旦那に仕返しを企てる。そしてその行動がエスカレートしていく。
  3. 春風亭昇太「本当に怖い愛宕山」
    愛宕山その後の噺。谷に投げ入れた小判は神様へのさい銭。そして幇間はその生贄…⁉
  4. 柳家喬太郎「本当は怖い松竹梅」
    松竹梅その後の噺。おめでたい席での口上を言い間違えた梅さんが失踪した。そして。。。
  5. SWA落語研究会
    春風亭昇太・柳家喬太郎の二人が演芸番組の司会と解説者となり、元ネタになった落語の解説とそして演じる落語家をいじりまくる。

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春風亭一之輔、柳家喬太郎、桃月庵白酒、
入船亭扇辰、三遊亭兼好、三遊亭圓生など
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