【落語会感想】玉川太福『地べたの二人』・三笑亭夢丸『蛙の子』を聴く(21.9.11)

三笑亭夢丸玉川太福の二人会 落語会感想
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夢丸・太福のお二人が二席ずつ!

2021年9月11日(土)、神保町のらくごカフェで開かれた「三笑亭夢丸・玉川太福二人会」へ。

210911夢丸・太福二人会


ブログにも何度かお二人が出演する落語会のルポを書いているんですが、夢丸さんと、太福さんのファンなんです、わたし。というわけで、お二人ごいっしょの会なので、また行きました〜

「落語と浪曲の会ですが、まずは講談で」と前座・田辺一記さんの『於竹如来』。次いで、釈台に太福さんがテーブルかけをかけて、まずは太福さん、鈴さん登場。

ひとり夢一夜 夢丸一人会の内容

公演情報
出演者:玉川太福三笑亭夢丸
開催日9月11日(土)
開演:17:00〜
料金:予約2,500円、当日3,000円
会場らくごカフェ

プログラム内容
〈1〉玉川太福/玉川鈴『地べたの二人 愛しのロウリュ』

〈2〉三笑亭夢丸『蛙の子』
〈3〉三笑亭夢丸『あくび指南』

〈4〉玉川太福/玉川鈴『清水次郎長伝 代官斬り』

玉川太福/玉川鈴 『地べたの二人 愛しのロウリュ』

いまの講談界の台風の目は「神田伯山」。浪曲界に目を転じれば、そこに「玉川太福」がいる!
新作を演りたくて浪曲界に入ったという太福さんの浪曲は、むしろ落語ファンこそ必聴かもしれませんよ。

玉川鈴 『地べたの二人 愛しのロウリュ』のあらすじと落語亭メモ

先輩の齋藤と後輩の金井、電気会社の作業員の同僚が、サウナへ。二人ともサウナ初心者。そこで浴びる未体験の熱波!

太福さん作『地べたの二人』シリーズの一作。

〈サウナ用語解説〉
・ロウリュ:サウナ室にあるサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させて室内の湿度・温度をあげること
・熱波師:大型タオルで高温の蒸気をあおぐサービスをする人

登場人物たちのちょっとおかしな関係性とかみ合わない会話。これで爆笑浪曲が成り立ってしまう、太福さんの浪曲。落語は自由な話芸だけども、浪曲もまた自在だな〜

斉藤の知りたがりに、金井の妙にやる気なさげな知ったかぶり。熱波師はなんだかおたくっぽく、早口なのでなにを言っているのか、半分わからない。

ロウリュの水蒸気はもちろん大きなタオルならぬ手ぬぐいでバッサバッサ!

三味線の曲師がみね子師匠ではなく、若くて可愛らしい女の子なのでびっくり。入門は昨年。達者です。人気出そう!ww

▶Amazonで「玉川太福」動画視聴はコチラ

玉川太福のProfile

●Profile
本名:玉川太福 (たまがわだいふく)
生年月日:1979年8月2日
出身:新潟県新潟市
HPTwitterブログ

●芸歴
2007年3月:入門
2013年11月:名披露目
2015年:第1回渋谷らくご創作大賞
2017年:第72回文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞

三笑亭夢丸 『蛙の子』

明るく元気な高座で人気の夢丸さん。ここ数年の落語芸術協会の興隆を支えている若手の一人。普段から着物姿、ないしは作務衣姿だそうです。大の銭湯好き。ちなみに太福さんはもちろんサウナ好き。

蛙の子』のあらすじと落語亭メモ

息子がまた吉原に遊びに行ったっきり帰ってこない。という道楽息子を持つ親が嘆くところから始まるおなじみの落語。

と、見せかけておいて、息子は若者などではなく、とても子供とは思えない、ませた六歳の男の子、とらちゃん。

やがてとらちゃんは、奈良漬を一本食べて酔っ払って帰ってきた。当然、父親は説教。

とらちゃん、今度は父親の友達、徳さんとサイコロ博打。賭けるのは玩具。

とらちゃんの父親はいまでこそ真面目に働いているが、以前は飲む・打つ・買うに加えて、おっかさんを殴るようなことまでするヒドい父親だった。

物心ついたとらちゃんが飲む・打つ・買う子供になってしまったことで、父親は逆に真面目になった。

「とらちゃんがそうしているのは、おとっつぁんにやらせないように、ということだろう」と徳さんには見透かされていた。

とらちゃんも本当はこども同士で遊びたい。徳さんが母親にとらちゃんの本当の気持ちを明かし、「さっき見たら子供同士で遊んでいる」というので、母親もひと安心。

徳さん「とらちゃん、原っぱでみんな集めて楽しそうに、女郎買いごっこして遊んでるよ」

先代夢丸師匠ゆかりの新作古典落語。

とらちゃん、自分のアゴを親指と人差し指ではさんで、小股の切れ上がった女がいいね、などと低い声で口にし、粋な都々逸も難なくこなす、あまりにも粋な六歳児。

元気で楽しい夢丸さんの芸風にも、まさにピッタリ。

とらちゃんのとても六歳児とは思えない深い心根に、サゲもまた素晴らしい噺。

三笑亭夢丸のProfile

●Profile
芸名/三笑亭夢丸(さんしょうてい ゆめまる)

本名/前田就
生年月日/1983年5月19日
出身地/新潟県新発田市

HPTwitter
●芸歴・受賞歴
2002年1月/三笑亭夢丸に入門。前座名「春夢」
2006年10月/二ツ目昇進。夢吉と改名
2015年5月/真打昇進「二代目三笑亭夢丸」襲名
2017年3月花形演芸大賞銀賞受賞
2019年3月花形演芸大賞金賞受賞

三笑亭夢丸 『あくび指南』

「あくび」を教えてくれるという指南所に、兄ぃを連れて行った若い男。夏のあくびがよいだろうと教えてもらうが、なかなか風流にうまくできない。

そばで見ていた兄ぃが、そのバカバカしさに呆れてしまって思わずあくび。兄ぃのほうが、あくびが上手かった。

▶『あくび指南』のあらすじ、詳しくは、ちらでご覧ください。

夢丸さんらしい笑どころいっぱいの『あくび指南』。

「寄席演芸でのあくびは出やすいが、噺家は心の底では傷ついているので〜」というくすぐりで大笑い。

玉川太福/玉川鈴 『清水次郎長伝 代官斬り』

次郎長一行、代官所に押し入り、大野の鶴吉を牢屋から救い出し、次いで代官屋敷へ。恨みを晴らすべく代官と久六を斬って、次郎長を守り、そのために殺された長兵衛の仇を討った。

太福さん、二本目は広沢虎造。

豪快かつ冷酷無比でいて茶目っ気も併せ持つ次郎長とその一党の大暴れを迫力たっぷりに! これぞ、浪曲の醍醐味!

太福さんはカラダも大きくて、そのカラダを発声マシーンとしているかのような声の迫力なので、なおさらです。

まとめ

落語と浪曲、二席ずつ。というのがそもそも楽しい。今回ともに、お二人とも新作・古典が一席ずつというのは偶然? それとも示し合わせたのか? マクラはサウナ・風呂つながりでした〜

いずれにしても、バランスも良くとても楽しめた。月イチ開催希望!

らくごカフェのチケットの買い方

らくごカフェへメールまたは電話で予約。チケットは不要、というか存在してません。当日名前を言ってお金を払って入場する形です。

詳しくは下記のらくごカフェのホームページへ。

らくごカフェの詳細

●らくごカフェHP:URL
・営業時間:月~金の12:00~18:00
・定休日:不定休
・住所:千代田区神田神保町2-3神田古書センター5階

※落語会は平日夜間、土・日・祝日は昼と夜で随時開催。毎週火曜日19:30より定例会「らくごカフェに火曜会」開催中。※正面エレベータから入店不可。靖国通りから1本奥へ入った裏のエレベータを利用する。※並ぶスペースがないので、開場時刻に来場するのがお薦め。

●飲食
コーヒー・烏龍茶500円
キャラメルマキアート600円
ビール700円(おつまみ付)
日本酒・焼酎・角ハイボール500円
サンドイッチ各500円


●マップ

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