正調江戸落語の入船亭扇辰さん。
落ち着いた雰囲気と端正な出で立ち。たっぷりとした間に味わい深い扇辰師匠の端正な高座はいつも素晴らしい!
実は入船亭扇橋に入門志願するが、今は弟子をとれないと、25歳まで本屋でアルバイトをした苦労人。
そんな入船亭扇辰さんの経歴・面白い演目・評価などをご紹介します。
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春風亭一之輔、柳家喬太郎、桃月庵白酒、
入船亭扇辰、三遊亭兼好、三遊亭圓生など
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プロフィールと経歴
▼落語家になるまで&落語家になった後
- 落語の出会いは新潟の長岡高校時代。落語研究会があり入部し、文化祭で落語を披露する。
- 高校の夏休みに新宿末広亭に行く。
- 1982年に國學院大學文学部入学し落研に入る。
- 卒業後、落語家になるために入船亭扇橋に入門を決意。扇橋を選んだ理由は他の落語家がやらないような噺をしていた。そしてなによりも優しそうだった。
- 落研で知り合いだった柳家一九に扇橋の住所を教えてもらい23歳の時に家を訪ねる。
- 師匠に弟子が沢山いて今はとれないと断られたため、23歳〜25歳まで本屋でアルバイトをする。
- 1989年に25歳の時に九代目入船亭扇橋に入門を許される。前座名は「扇たつ」
- 1993年に二ツ目へ昇進して扇辰と改名。
- 1998・99年ににっかん飛切り落語会努力賞受賞
- 2002年に林家彦いちなどと同時期に真打昇進
- 2008年に花形演芸大賞金賞受賞
- 2014年に彩の国落語大賞受賞
▼入船亭扇辰のエピソード集
- 三遊亭白鳥が扇辰の茄子娘の動画をみて茄子娘を覚える。白鳥から扇辰に教わったってことでいいよなといわれる。
- 古本屋でアルバイトしていた時、落語の本やCDを大量にきき、それが落語家になった後にいきた。
- 橘家文左衛門、入船亭扇辰、柳家小せんでフォークバンド「三K辰文舎」を結成&ライブ活動。
- ギターからピアノまで演奏し、iPadを使いこなし写真も好き。
▼入船亭扇辰の3歳年下の妻
カミさんの誕生日
— 扇辰贔屓 (@SentatsuBiiki) September 2, 2022
久しぶりに全員集合 pic.twitter.com/i0F1k3Smxg
入船亭扇辰の妻「覚和歌子」は有名な作詞家でシンガーソングライター。
早稲田大学第一文学部卒業し、大学ではミュージカル研究会で活躍。その頃から作詞を始めたそう。
作詞家として、沢田研二や小泉今日子などに作詞提供している有名な作詞家。千と千尋の神隠しや崖の上のポニョの主題歌も作詞。
入船亭扇辰の魅力とオススメ演目
私が2021年10月20日(水)に行った「通ごのみ 入船亭扇辰・桃月庵白酒二人会」と2021年9月23日(木・祝)にいった「国立名人会」の中から、扇辰さんの魅力が詰まった落語をご紹介します。
爆笑落語の白酒さんと正調江戸落語の扇辰さん。その個性がはっきりと異なるので、二人会の組み合わせとしてとてもしっくりくる会でした。
▼公演情報
◯出演者:入船亭扇辰、桃月庵白酒
◯開催日:10月20日(水)
◯開演:18:30〜
◯料金:3,800円
◯会場:日本橋公会堂
▼プログラム内容
〈1〉入船亭辰ぢろ 『道具や』
〈2〉入船亭扇辰『天災』
〈3〉桃月庵白酒『お見立て』
〈4〉桃月庵白酒『真田小僧』
〈5〉入船亭扇辰 『江戸の夢』
『天災』のあらすじと感想
隠居のところへ「離縁状」を書いてくれと八五郎が飛び込んできた。がさつで喧嘩っ早い八五郎に呆れた隠居は、長谷川町新道の煙草屋の裏に住む、心学の先生、紅羅坊名丸への手紙を八五郎に持たせ送り出した。
八五郎を待たせて手紙を読むと、手紙を持っていった八五郎は自分の母親にまで手をあげるダメ男なので、意見(説教)してやってほしい、と書いてあった。
「ならぬ堪忍するが堪忍」
「堪忍の袋を常に首に掛け、破れたら縫え、破れたら縫え」
などと堪忍・我慢を説く名丸先生。
やがて「なにもないあたり一面の原っぱで、夕立にあったらどうする?」と八五郎に問う。急な雨に腹を立てる八五郎だが、その怒りの矛先の向けようについては答えようがなかった。
名丸先生に「なにごとも天災と諦めれば、腹も立たない」と言われて、やっと納得した八五郎は、喜び勇んで長屋へ帰っていった。帰ったら、長屋がなんだか騒がしい。
「新しい女を引っ張り込んだ熊さんのところへ、前の奥さんが怒鳴り込んできて、大変な騒ぎだった。喧嘩っ早いあんたが居なくてよかった」と八五郎の女房。
八五郎は熊五郎の長屋へ行き、さっそくなだめにかかる。
八五郎「天が怒鳴り込んできたと思えば腹も立たない。これが“天災”だ」
熊五郎「なーに、おれのところじゃ“先妻”だ」
紅羅坊名丸を訪ねる八五郎。「いやーお、ぴらごめんね~、ぺらめんね~」といきなり短気な省略で、威勢だけは気合十分。なにかにつけて「こちとら江戸っ子だい、職人だい、威勢がいいんだい」とまくし立てる。
短気でがさつな江戸っ子、八五郎のハイテンションのべらんめえぶりが楽しい一席。
『藁人形』のあらすじと感想
千住の若松屋という女郎屋。そこの女郎・お熊が乞食坊主の西念を呼び止めて部屋に上げ、自分の死んだ両親のために念仏を唱えてもらう。
お熊はやがて身請けされることが決まっている旦那に売りに出ている絵草紙屋を居抜きで買ってもらい、いずれは西念もそこにいっしょに住んでもらいたいと考えていることを打ち明ける。
死んだ父親に孝行できなかったことを悔やんでいて、西念はその父親に似ているのだと言う。
何日か後、西念はまたお熊に呼び止められ、部屋に上がった。すぐにでも二十両払わないと、あの絵草紙屋がほかの人に買われてしまう、と言うお熊に対し、「わたしが払う」と西念。
いまは乞食坊主の西念だが、元は鳶だった。その当時、些細なことで人を殺めてしまい、アタマを丸めたのだが、仲間が花会(職人や博徒が金を集めるために開く博打の会)をしてくれてつくった金、二十両を長屋の床下に隠し持っていた。
西念は元はぬか問屋の娘であるお熊を子供の頃から知っていた。そのお熊がいっしょに住もうと言ってくれている。西念は急いで長屋に帰って床下から二十両を出し、若松屋にとって返してそれをお熊に渡した。
その日から数日、西念は風邪で寝込む。やっと治ったが、金がないので、お熊から小遣いくらいはもらえるだろうと若松屋へ。二十両のことを話し出すと、お熊の様子が途端に変わった。
あれは仲間の女郎たちと、西念が金をもっているかどうか賭けをしたのであり、もらった金だから、返す必要はないと言い張る。激怒する西念だったが、店の若い衆に乱暴され、外へ放り出された。
金も気力も失い長屋に引きこもる西念を、甥の甚吉がたずねてきた。西念を慕う甚吉はこれからはいっしょに暮らそうと言う。気を取り直した西念は、近所の蕎麦屋へ蕎麦を注文しに長屋を出た。
その際、かまどの上の「鍋の蓋は絶対に開けるんじゃねえぞ」と何度も念を押す。そう言われると気になる甚吉が蓋を開けたところ、油のなかに藁人形が入っていた。
やがて帰ってきた西念が、鍋の蓋が開けられたと気づく。
甚吉「藁人形だろう、誰かを祈り殺そうというのか」
西念はお熊に騙されたことを打ち明ける。甚吉は、これからは自分がついているんだから、やがては女郎など見返してやるくらいになろうと西念を励ます。
甚吉「でも藁人形に五寸釘というのは聞くが、油炒めというのは。。」
西念「女は、ぬかや屋の娘なんだ」
サゲは軽いけど、基本は金を騙し取られてしまう悲惨な噺。
扇辰さんの描写力の確かさは、こういうシリアスな噺だとひときわ際立つ。
お熊、西念、甚吉の三人の表情まで目に見えるかのよう。金を返さないと居直るお熊の怖さ、西念の絶望。西念を明るく励ましてくれる甚吉が、この噺の救い。甚吉が訪ねてきてくれてよかった。
いつもながらですが、上手い!
入船亭扇辰さんのスケジュール
入船亭扇辰さんはスケジュールを簡単に確認できるのがチケットぴあ。もちろん寄席だとかぴあで販売してないものは載ってません。
ま、確実にチケットがあるなということはわかります。全部のスケジュールを知りたい方は入船亭扇辰さんは充実したHPをもっているのでそこをみれば基本的にはわかります。
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