どんな世界にもヒエラルキーはある。会社には社長もいれば、平社員も。もちろん落語界にもそのヒエラルキーがあります。
皆さんご存知の前座・二ツ目・真打など。
ということで落語家の入門方法、階級制度、真打昇進システム、各階級での仕事など解説していきます。
落語家階級制度〜真打までのみちのり〜
落語家の階級は大まかにいって上記のような形になります。なんと入門してから真打になるまでに約12年もかかるのです。
それに見逃せないのが見習い期間。雑用と落語界に入るのに体をならす⁉ ためか1年間、見習いという寄席の楽屋にさえ入れない期間が続きます。
一人前の落語家への道は、遠い。。
ということで詳しく解説していきます。
見習い(期間:約数ヶ月〜3年)
“まだ何者でもない、ただの見習い”
落語界は基本的に弟子入り制度なので、まずは誰かの弟子にならないと始まりません。自分でこの人に教わりたいと思う真打の落語家のところに弟子入りを頼みにいきます。弟子入り方法も様々あります。
弟子入り方法
弟子入りする方法は例外も挙げればいろんな形があると思いますが、基本的には下記のやり方が主流です。
◎家を訪ねてお願いする。
◎寄席などの楽屋口で待ち伏せしてお願いする。
◎落語研究会などの先輩に紹介してもらう。
ちなみに弟子入りを認められたら親への挨拶をしたいと、親を連れてくるようにいわれることも多々あるそうです。入門後は昔は師匠宅の住み込みが多かったのですが、いまはほぼ通い。
また、いまは入門希望者が多いので順番待ちすることもあるそうです。入門が許されたとしても順番が回ってくるまで本当にただの一般人として待つしかないです。整理券は流石に配られないと思いますがw
東西あわせて800人を超える落語家がいる現在、入門希望者の抑制と高齢化を防ぐため、入門時の年齢制限を定めているのが落語協会と落語芸術協会で、それぞれ30歳と35歳です。
前座(期間:約3〜5年)
“やった! 寄席出演と雑用ができる”
入門から1年ほどすると前座になります。寄席の楽屋に入って仕事をしたり、また高座に上がることもできます。ただ見習いと同じような仕事も続いてはいます。とにかく見習いからステップアップし、落語家として修行を行います。
落語の稽古とは
落語に台本はないので、稽古は対面で口で伝えてもらって覚えるというやり方が主ですが、師匠が録音したものを聞いて覚えるなどという方法もあります。ひょっとしたら近い将来「ズーム」なんかでもw
▼基本的な稽古ステップ
1.対面で師匠や先輩に教えてもらう
2.自分で噺を覚えて稽古する
3.師匠の目の前で披露しダメ出し&OKをもらう
4.OKをもらって初めて高座にかける
二ツ目(期間:約5〜12年)
“ここが分岐点。努力するかなまけるか”
見習い&前座時代の様々な雑用から開放されて一人前の落語家になるために主体的に動いて行きます。
よくここで努力するか持て余した時間を無駄に過ごすかによって落語家としての将来が決まるともいわれてます。与えられた仕事をこなす時代から、自分で仕事をつくっていく時代となります。
知名度もないなかで仕事をつくる、つまり落語会を企画したり参加したりするのはタイヘン。基本的には先輩の落語会に呼んでもらったり、仲間と一緒に勉強会を開催したりなどして高座に上がります。
もちろん実力が認められて、若手注目株として引っ張りだこになることも。近年はとくにその傾向が強く、柳亭小痴楽、神田伯山、瀧川鯉八らが参加した落語芸術協会の若手二ツ目の会「成金」の成功がそれに拍車をかけました。
落語芸術協会ではそれに続けとばかり「芸協カデンツァ」「ルート9」という二ツ目ユニットが生まれて注目を集めています。
真打(期間:約12年〜)
苦節10数年。やっと落語家として一人前と認められ真打になります。落語家の階級の中では最上級ですが、ここからがある意味その落語家の真価が問われてきます。
人気・実力ともに認められて独演会が一瞬でソールドアウトし、あらゆるメディアで引っ張りだこの落語家になるか、なかなか世間で認めてもらうことのできない落語家になるか。とにかく人気がはっきりしていきます。
また新真打になると世間にお披露目するための披露公演や披露パーティが開かれます。
真打昇進の流れ
新真打に昇進すると真打になったことを祝い、そして披露するために「真打披露公演」が行なわれます。では真打披露公演とは一般的にどんなことを行うのかご紹介します。
所属落語協会が決める
真打昇進へのGOサインを出すのはその落語家の所属する各協会です。基本的にはある程度、年功序列ではないですが、芸歴によって昇進が決まることが多いです。
ただ、中には実力が認められて芸歴の長い先輩を追い越して先に昇進する「抜擢真打」ということもあります。
いわゆる“何人抜き”とよばれるやつです。
- 3代目古今亭志ん朝(36人)
- 春風亭小朝(36人)
- 柳家花緑(31人)
- 古今亭文菊 (28人)
- 4代目桂三木助(26人)
- 春風亭一之輔(21人)
- 3代目柳家権太楼 (18人)
- 4代目三遊亭圓歌(18人)
- 10代目柳家小三治(17人)
- 柳家喬太郎(12人)
- 古今亭志ん陽(8人)
- 林家たい平(7人)
真打披露興行&披露パーティー
●真打披露公演の準備
落語家の晴れ舞台にはお金がかかります。
・お披露目用の手ぬぐいや扇子、口上書き
・メディア対応
・挨拶回り
・披露興行高座の幕やのぼり
・公演出演者用のお弁当の手配
・昇進披露パーティの準備と開催
●真打披露公演&披露パーティ
各寄席で披露興行を行います。通常の寄席とは違って舞台装飾が施された舞台に豪華な出演者が出演し、新真打の門出を祝います。
落語協会の場合は東京の寄席五つを50日間に渡って披露公演を行います。寄席では初めて“トリ”を務めます。
また真打披露公演では「口上」という独特の挨拶が行われます。新真打をセンターにして向かって左から司会者・協会幹部・新真打・師匠・協会幹部など5〜7人ほどが一列に舞台に並び、一人ずつ挨拶をします。
真面目な挨拶の場合もありますが、そこはお客に笑ってもらうことが仕事の落語家なので、楽しい挨拶で会場を盛り上げます。
21年2月から始まった落語芸術協会、桂宮治の真打披露公演では、師匠桂伸治の挨拶が毎日長いのと、あれは挨拶というよりもはや慢談ではないかwwと話題になりました。
ちなみに新真打となった本人は伝統として挨拶はしません。
披露パーティは現在は大きなホテルを会場として行うことが多いです。
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