寄席の経営者「席亭」の仕事と落語界への影響力を紹介!

席亭 落語雑学
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東京には大きな4つの寄席あります。新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、上野鈴本演芸場。

ちなみに寄席とはいわゆる落語が聞ける常設の劇場のこと。4つの寄席はそれぞれ独立した存在で、経営母体も違い特徴も違います。

その中で「席亭」と呼ばれる人がいます。

かつては寄席のことを席亭と呼んでいましたが、現在は寄席の経営者・責任者のことを「席亭」と呼びます。

席亭の仕事は、劇場を運営するために出演者のブッキングやプログラムを決めることですが、実はそれだけの存在ではありません。

落語界に非常に影響力を持っている存在なのです。

ということで今回はそんな席亭について紹介いたします。

席亭はこんなすごい!
  • 落語団体と一緒に寄席の出演者とプログラムを決める
  • 真打昇進にあたいする落語家を落語協会や落語芸術協会に推薦する
  • 落語芸術協会と他落語団体の合併提案をした事がある
  • 「古今亭志ん朝」の大名跡を預かる
  • 落語界へ苦言を呈する

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席亭の仕事と影響力

新宿末廣亭AC

席亭は普段どんな仕事をしているのか。落語界における立ち位置や影響力、発言権等、詳しく紹介してきます。

寄席の出演者とプログラムを決める

劇場を運営するため、席亭は出演者とプログラムを組みます。これを「顔づけ」と呼びます。

各寄席とも各落語協会と話し合い決めるのですが、その中で上野鈴本演芸場の落語協会との顔付けのやり方が、HPにあったので紹介します。

顔付けは落語協会事務所に、各席の席亭、支配人、協会の事務員さんら六、七人が集まって行われます。各寄席の出番表の木枠に、落語協会所属の全員の芸人さんの名前を書いた、縦4センチ、幅1センチぐらいの小さな木の札を並べていきます。最初にトリ、仲入りの噺家さんを決め、後は順番に各寄席の時間がぶつからない様に札を納めていきます。

事務員さんが「ひとつ、この人をここに・・・」と木札を置く。「いや、うちはいりません」とピシッと札がはねられるといった、シビアーな状況で番組が出来上がっていきます。

http://www.rakugo.or.jp/sara-kao-gesho.html

ちなみに浅草演芸ホール、新宿末廣亭、池袋演芸場は落語協会と落語芸術協会が交互に出演しますが、上野鈴本演芸場は落語協会しか出演しません。

また、三遊亭圓楽率いる円楽一門会や、立川流はそもそも寄席に出演はできません。

▶寄席について詳しくはこちら

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真打昇進を各団体に推薦

スタッフ

真打昇進基準は各団体がそれぞれの方針で決めるのですが、そこにこの落語家はもう真打に昇進させてもいいのではと、席亭が推薦することがあります。

席亭推薦により真打昇進した落語家
  • 春風亭昇太
    テレビ等メディアでも目覚ましい活躍をしていた新作落語の雄は1992年に抜擢真打
  • 桂宮治
    2021年に浅草演芸ホールの席亭による推薦により真打昇進と言われてる。
  • 神田伯山
    新宿末廣亭席亭の推薦があって協議されたが、否決され再度協議後の2018年に真打昇進。

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落語界への苦言を呈する

喧嘩2

落語界への強力な発言権もある席亭。様々な苦言も呈します。

落語芸術協会と他落語団体の合併提案

2012年の落語芸術協会の納めの会で、新宿末廣亭席亭が「落語芸術協会が出演する会は客入りが悪い」と苦言を呈した。

さらに、こういった状況が続くなら「円楽一門会や立川流と一緒になってほしい」と発言。

おそらく席亭は客く入の悪さを理由に、今まで協会との関係から出演させれなかった円楽一門会や立川流の落語家を出したいのでしょう。改善するか、できないなら合併もすべし、という強いメッセージを送ったのだと思います。また他の寄席も同調しているとのこと。

実は、円楽一門会は2011年に落語芸術協会への合流を申し入れたそうですが、それは落語芸術協会の会議で否決されました。

落語芸術協会副会長の三遊亭小遊三さんも、協会側も発言を重く受け止めるとのコメントを出しました。

この後、結局落語芸術協会の二ツ目ユニット「成金」の人気が爆発して人気が回復したのか、その後合併の話しは聞かれなくなってしまいました。

▶落語協会・落語芸術協会の歴史について詳しくはこちら

▶柳亭小痴楽&桂宮治出演「嗚呼!成金の壁 すずらん亭」動画視聴

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鈴本演芸場の席亭が最近の落語家について

最近の若手の噺家は、Tシャツや短パンで寄席にくるなど服装の乱れがすごいと苦言。そういった服装を注意するのですが、直る気配がない。

また、お客さんの前を平気で通るなど、品格が感じられない人がいたり。とにかく落語家として人として品格のある態度をしてほしい。

▶柳家小三治の落語の秘密《本》

古今亭志ん朝の大名跡を預かる

大名跡と言われる名跡があります。先代の功績により大きくなった名前もあれば、長らく受け継がれてきた名前もあります。

そんな大名跡だから継ぐ際に揉めるのは当たり前。そして権利関係もまたややこしい。協会側が持ってる場合もあれば、大名跡を受け継いだ親族が持ってることもあり、上方では事務所がもっていたりすることもあります。

そんななか、席亭が大名跡を預かってる場合があります。その一つが昭和の大名人で落語の申し子と呼ばれた落語家古今亭志ん朝」の名跡です。預かってるとされてるのは上野鈴本演芸場の席亭

古今亭志ん朝さんから「席亭がこれはと思う人が現れたら継がせてください」と言われ預かってる状態となっています。

▶ちなみに亭号を代表する「大名跡」
◯三遊亭/三遊亭圓生
◯古今亭/古今亭志ん生
◯春風亭/春風亭柳枝
◯林家/林家正蔵
◯桂/桂文治
◯桂/桂文枝(上方)

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▶大名跡について詳しくはこちら

最近流行りのプチ席亭とは?

プチ寄席

プチ席亭とは寄席などの常設演芸場ではなく、小さな落語会を主催する席亭のことをいいます。

カフェなどの飲食店、公民館またはちょっとした会場を借りてそこに自分の趣味や企画を催して落語会を開く主催者をプチ席亭とよんでいます。

前から落語が聞ける飲食店はありましたが、そういったのとはちょっと違う、その日限りの落語会のことをさします。

ちょっと前の落語ブーム期にこうしたプチ席亭が流行りました。2016年にはクローズアップ現代で特集されたほど。しかも落語にハマった女性がグループをつくったりして開催することも多いそう。

▶雑誌 東京人2022年9月号特集「寄席 」

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