林家正蔵というより、未だにこぶ平の方が馴染みがある人もある人もいると思います。
大人気落語家の初代林家三平の元に生まれ、二世落語家になった林家正蔵。
90年代にはタレント「林家こぶ平」として活動し、ゴールデンタイムの番組で司会をするなど大人気だった。ただそのタレント時代のキャラクター“親の七光りの駄目な息子”が災いしてか、テレビ出演を控えて落語家家業に邁進しても、世間からの落語家としての評価は低かった。
しかし、評論家の間でこぶ平を評価しだす声が聞こえだし、今では高座数も半端なく正蔵の生落語をきいた人たちからは、評価されるようにもなっている。
そんな、逆境を跳ね返す林家正蔵さんの経歴・評価・家族などを紹介します。
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林家正蔵のプロフィールと経歴
▼落語家になるまで落語家になった後
- 1962年12月1日に東京都台東区根岸に初代林家三平・海老名香葉子の間に生まれる。現在59歳。
- 15歳の時に父・三平に弟子入り志願するが断られ、三度目にして許される。
- 1978年に父親の林家三平に弟子入りした。名前は「こぶ平」となる。
- 1980年9月に父親の三平が死去し、兄弟子達と一緒に林家こん平門下に移籍する。
- 1981年に二つ目昇進。
- 1984年6月に有希子夫人と結婚。
- 1987年に古今亭志ん朝以来の最年少で真打昇進。
- 1991年に長女「あづき」、1994年に長男「泰良」、1996年に次男「泰宏」に誕生。
- 1998年あたりからタレントとして活躍しだし、「笑っていいとも」「テレビ探偵団」「モグモグGOMBO」などにレギュラーor司会者として出演。タレント「こぶ平」として人気になる。
- 2001年に林家たけ平が正蔵のマネージャーとなり、その後落語家転身し一番弟子となる。
- 2003年に落語界の人気回復のため春風亭小朝、笑福亭鶴瓶、春風亭昇太、立川志の輔、柳家花緑の落語家6人で「六人の会」を結成し一大ブームに。
- 2004年に師匠こん平が病気になった頃から、林家一門の「代表」として先頭に立つ。
- 2005年3月21日に祖父の「正蔵」を受け継ぎ、九代目林家正蔵を襲名。
- 2013年4月に長男の泰良が七番弟子として入門。名前は林家たけ平。
- 2014年に落語協会副会長に就任。
- 2019年4月に次男の泰宏も大学卒業後に八番弟子として入門。名前はぽん平。
▼林家正蔵のエピソード集
- 子供の時に小三平の名で高座に上がったり、ドラマに出演したりしていた。
- こぶ平の名前の由来は、弟の三平が「お兄ちゃんは太ってるから、こぶ平がいいんじゃないか」と提案したのが始まり。ただ、こぶ平自身は不満だった。
- 現在弟子の数は8人ほど。
- 父親三平は高座では陽気だが、弟子には厳しくこぶ平は特に厳しく鍛えられたという。
- 親子四代に渡って落語家になるのは落語界初の快挙。
- 実はアニメ『タッチ』では、上杉達也のチームメイトのキャッチャー松平孝太郎役を演じた。
- 実は劇団「WAHAHA本舗」の創立メンバーで、1984年8月の旗揚げ公演にも参加。2017年の「WAHAHA本舗」最後の全体公演に33年ぶりに出演している。
- 趣味はジャズのレコード収集。中学生の頃からジャズが好きでラジオ番組にジャズ評論家として出演したことがある。
- 所ジョージ、ビートたけし、明石家さんま、とんねるず、ヒロミなどの大物タレントに可愛がられた。
- 若い時にタレントとして活躍したこともあり、親の七光りの駄目な二世という位置づけだった。その後テレビ出演を控え、落語家としての活動に重点を置いてからは評価も変わってきた。
●Profile
芸名/林家正蔵(はやしや しょうぞう)
本名/海老名泰孝
生年月日/1962年12月1日
出身地/東京都
HP
●芸歴・受賞歴
1978年4月/父、林家三平に入門。前座名「こぶ平」
1980年/三平没後、林家こん平門下へ
1981年/二ツ目昇進
1987年5月/真打昇進
2005年3月/九代目「林家正蔵」襲名
2010年/落語協会常任理事に就任
2014年/落語協会副会長に就任
2015年/第70回文化庁芸術祭優秀賞
落語界のサラブレッドの家族・結婚・家系図
とにかく落語界のサラブレッドとも呼ばれるほど、落語家として華やかな家系。ただ、よんでいただければわかりますが、両親・兄弟はとにかく曲者揃い!
林家正蔵さんの家族については、逆に妻はあまり表にでず、二人の男のお子さんは落語家になってるなど順調な様子です。
『家系は最強の夫人』両親・兄弟・祖父について
▼祖父「七代目林家正蔵」
芝居噺や怪談噺を得意で林家木久扇、三遊亭好楽の師匠にも知られています。後年この正蔵という名前を好楽さんが弟子に襲名させるさせないで揉めたこともありました。結局襲名はせずということで決客はしました。
※その詳細記事はコチラ
▼父「初代林家三平」と母「海老名香葉子」
テレビでも高座でもとにかく楽しい面白い落語家として大人気でした。その旦那の三平と一門を影というより、表で⁉支えた母の海老名香葉子さん。現在も一門の中心として先頭にたち、裏方としても支えています。
▼姉「海老名美どり」
姉はタレントや作家としても活躍した海老名美どり。夫は元石原軍団の俳優でタレントの「峰竜太」。いわゆる『鬼嫁』として知られています。
妹は言わずとしれた「泰葉」で元夫は金髪豚野郎こと⁉失礼。。。「春風亭小朝」。弟は父親の三平を襲名した2代目林家三平。残念ながら笑点を降板しました。
林家正蔵さんの妻と子供について
▲右は林家たま平さん。
▼結婚について
まだ正蔵さんが二ツ目時代の1984年に有希子さんと結婚します。有希子さんは短大卒業後に林家正蔵(当時はこぶ平)と知り合い結婚しました。現在、夫人は表にでることはなく、二人の間に二男一女がいます。
▼子供について
1991年に長女・あづきを出産します。
1994年5月29日に長男・泰良を出産。2013年4月に高校卒業して正蔵に弟子入りしました。名前は林家たま平。2014年8月には前座、2017年11月には二つ目昇進しました。たまにテレビ等に出演されています。
1996年7月31日には次男・泰宏を出産。2019年4月に大学卒業して正蔵に弟子入りしました。名前は林家ぽん平。2020年10月には前座になっています。
つまり男のお子さん二人は既に落語家の道へ進んでいます。2013年4月に長男の海老名泰良が高校卒業して正蔵に弟子入りした。名前は「林家たま平」。2014年8月には前座、2017年11月には二つ目昇進した。
林家正蔵の襲名について
2005年3月21日に林家こぶ平さんが大名跡「林家正蔵」を襲名し、お練りパレード等も行いました。その襲名に関してまとめてみました。
▼襲名の時系列
- 2002年8月に林家こぶ平が林家正蔵を3年後に襲名することを発表。
- 2005年3月13日「九代林家正蔵襲名記念 林家こぶ平下町感謝の日」としてお練りパレード等のイベント開催。
- 2005年3月21日に林家正蔵を襲名。
▼襲名のきっかけ
鈴本演芸場の席亭から「新しい名前を襲名したらどう?」と言われたこと。ただ母は反対し、本人も乗り気はなく、とりあえず義兄の春風亭小朝に相談すると、小朝から襲名を推薦され結局なることに。
▼襲名に対する世間の反応
世間の反応は賛否。なんせ正蔵は江戸時代から続く大名跡。こぶ平は世間では未だに親の七光りのだめ息子という位置づけだった。
ただ、テレビタレントとしての活動を縮小し、落語家活動に力をいれていたため、実は彼の落語を聴いた人からは評価が上がっていた。
▼襲名イベント詳細
襲名イベントとして浅草などをお練りパレードするイベントを、石原プロに協力をえて行われた。
上野と浅草と寛永寺で特大の車両7台を使って、大々的なお練りパレードを実施。イベントには10億円の保険かけていた。
寛永寺のお練りは開山以来初、浅草のお練りは出演者が120人以上の史上最高人数。
見物人は14万人にもなり、大々的にメディアでも報道された。
お練りパレードには林家木久蔵、春風亭小朝、笑福亭鶴瓶、 立川志の輔、林家いっ平、舘ひろしなども参加。
・上野鈴本演芸場10:30
・JR上野駅11:20
・上野寛永寺12:30
・雷門通り13:30
・浅草仲見世
・伝法院通り
・浅草演芸ホール
林家正蔵の評価
親の七光りなど揶揄されていた正蔵さんですが、落語を真面目に取り組むにつれその評価も変わってきました。そんな評価についてご紹介。
春風亭一之輔さんコメント
正蔵師匠は今、高座数の多さでは落語界でトップ10には入ると思いますよ。地方の落語会・独演会、都内の寄席にも掛け持ちで出演して、この人が「落語やってない!」って言うなら、一体誰がやってんのよ?ってはなしです。
寄席の代演まで行くからね。落語やって映画出てテレビ出て、いつ休んでんだろ?
https://dot.asahi.com/wa/2018032200072.html?page=1
あと無関心な人に限って「下手」だって言いますね。全く下手じゃないよ。正蔵師匠の噺、ちゃんと聴けー。毎日寄席出てっから!!
落語に造詣の深い放送作家・海老原靖芳(84歳)さん
正蔵さんは舞台に姿を現すだけで場内を明るくできる、数少ない噺家の一人であり、大名跡である「正蔵」を襲名以来、その名を汚すまいと精進に精進を重ね、年々、確実に腕を上げています。
全国的な人気もさることながら、文化庁芸術祭優秀賞なども受賞し、その人柄から語られる古典落語は「正蔵ならではの優しい笑いと情があふれている」と非常に高く評価されているのです。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596032/
林家正蔵の落語会に行ってきた!
2021年11月24日(水)、浅草見番で開かれた「射手座落語会 正蔵・喬太郎・生志三人会」へ行ってきました。
浅草見番の、普段は芸者さんの踊りの稽古などに使われている広いお座敷での落語会。PAなしの生声、演者がすぐそこ、と実は贅沢な会なのかもしれない。
浅草駅を出て、仲見世を歩いて落語ファンにはおなじみの仁王門を通り、浅草寺を正面から後ろへ抜けて少し行くと浅草見番。この風情もまた楽しい。
▼公演情報
◯出演者:林家正蔵、柳家喬太郎、立川生志、春風亭いっ休
◯開催日:11月24日(水)
◯開演:19:00〜
◯料金:3,500円
◯会場:浅草見番
▼プログラム内容
〈1〉春風亭いっ休『初天神』
〈2〉林家正蔵『茄子娘』
〈3〉柳家喬太郎『やとわれ幽霊』
〈4〉立川生志『井戸の茶碗』
林家正蔵 『茄子娘』のあらすじ&感想
大好物の茄子を大事に育てていたら、そこに美しい茄子の精が現れた。その茄子にうつつを抜かした住職は仏の道を踏み外したと反省し修行の旅に出る。
修行の旅から五年ぶりに寺に帰ってくると、そこには五歳ほどの小さな子がいた。その子はなんと自分の事を茄子の精の子供だと名乗るのであった。
▶『茄子娘』のあらすじは、詳しくはこちらへどうぞ。
前回のこの射手座落語会では、正蔵師匠が二回目のコロナのワクチン接種で発熱し、代わりに入船亭扇辰師匠に出演してもらった。その扇辰師匠に教えてもらった噺ということで『茄子娘』。
降りしきる雨、突然の大きな雷、蚊帳のなか、僧侶にしがみつく若くて美しい娘の、赤い友禅から覗く白い足、ふくろはぎ、うちもも。。
脳下垂体も我慢しきれず、ガバっと女を抱きしめるウデに力が入った、とここ大声で強調。
柳家喬太郎 『やとわれ幽霊』のあらすじ&感想
夜、廃校になって取り壊されることが決まっている中学校に三人の男たちが懐かしさから忍び込む。彼らはこの中学校の卒業生だった。校内の思い出の場所を、懐中電灯片手に歩いていくと思いもよらない光景を目にする。
それは現実ではなく幻覚だった。そしてその幻覚は幽霊の仕業だった。三人は自分たちの思い出の地がなくしたくない思いから、幽霊になんとか学校の解体工事を邪魔してくれと依頼する。
しかし幽霊は断る。
幽霊は語る「たしかに建物はなくなるけど、ここでの思い出は胸のなかにずっとある。自分も解体された校舎と一緒に成仏させてください」と。
SWA CREATIVE TOURで初披露された新作落語『やとわれ幽霊』。
それがまた聴けるとは! とうれしい驚き。
少しずつ変わって笑どころも増えつつある、そのブラッシュアップの過程まで聴いているようだった。
喬太郎師匠お得意の昭和ノスタルジーものだが、こういう噺をしているときの喬太郎師匠は本当に楽しそうで、それが観客にも伝染する。
この新作は、序盤の伏線を中盤早くも回収し、その先も起伏に満ちた構成で、スケール感も兼ね備えている。ノスタルジーにユーモアとペーソスも加わり、ラストは人生の終盤に向いつつある人間たちへのエールにもなっている。しかもサゲも見事に決まっている。
なので、これからの喬太郎師匠の新作のなかでも重要な位置を占めるであろうことは、もはや間違いない。と2回目にして確信。
この夜、学校の幽霊は、見る者を脅かすために、科学室の人体模型を看護師のマネキンにしてみた。見ると、女の看護師が子供を抱いている。
幽霊いわく「親がナースとも子は育つ」。『茄子娘』のサゲをここに持ってきた喬太郎師匠の才気! 本日限定のギャグにはまいった。
▶2021年11月16日、新宿シアタートップスでの「SWA CREATIVE TOUR」の様子については、こちらへどうぞ。『やとわれ幽霊』のあらすじも掲載しています。
●Profile
芸名:柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)
生年月日:1963年11月30日
出身地:東京都
●芸歴・受賞歴
1989年10月:柳家さん喬に入門・前座名「さん坊」
1993年5月:二ツ目昇進。喬太郎と改名
1998年:NHK新人演芸大賞落語部門大賞
2000年3月:真打昇進
2001年:彩の国落語大賞
2005年:国立演芸場花形演芸会大賞
2006年:芸術選奨文部科学大臣新人賞【大衆芸能部門】
2014年:落語協会理事に就任
2020年:落語協会常任理事に就任
林家正蔵さんのスケジュール
林家正蔵さんはスケジュールを簡単に確認できるのがチケットぴあ。とにかく即完するのでこまめにチェック!
また林家正蔵さんは充実したHPをもっているので、そこにも詳細なスケジュールが記載されています。
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