【解説】古今亭一門の勢力・師弟関係・落語家など紹介!

古今亭一門落語雑学
スポンサーリンク
スポンサーリンク

古今亭はいかにも落語家さんという風情がある亭号

古今亭ときいて思い出すのは、落語界きっての名人『古今亭志ん生』や『古今亭志ん朝』。

現在古今亭を名乗ってる落語家さんは「落語協会30人」「落語芸術協会3人」の31人です。

では、古今亭は誰から始まり、いま現状どうなってるのかなど、古今亭一門についてご紹介したいと思います。

スポンサーリンク

古今亭と亭号のつく落語家の人数とは⁉

落語家亭号勢力図

古今亭の亭号をつける落語家はいったい何人いるのか調べました。ただし2021年10月調べなので、多少増減があります。

結果をいうと、純粋に『古今亭』と名乗る落語家は31人(直近は33人)でした!

ただし、古今亭一門となる話は別。実は古今亭と亭号を名乗っていませんが、古今亭一門という亭号があります。

それが『金原亭』です。

つまり古今亭一門は古今亭+金原亭になります。

さらに金原亭の弟子も金原亭と名乗ってってないなど、簡単に何人といえないのが難しいです。
※他の名前でもいる場合があります。

古今亭一門の人数

●古今亭一門56人

【協会別勢力】
落語協会53人、落語芸術協会4人

【亭号別人数】
古今亭33人、金原亭11人、桂3人、初音家1人、むかし家1人、五街道1人、隅田川1人、蜃気楼1人、吉原1人、桃月庵4人

スポンサーリンク

古今亭は誰が作った?その歴史とは

古今亭志ん生

開祖は初代古今亭志ん生!

古今亭の歴史は、三遊亭を作った落語家「初代三遊亭圓生」までさかのぼります。

三遊亭圓生の弟子に三遊亭圓太がいました。彼は自分が三遊亭圓生の名前を引き継ぎ、二代目になれると思っていましたが、それが叶わずに一派を出ました。

その後、名前をかえ、初代「古今亭志ん生」と名乗ります。

つまり古今亭志ん生は古今亭における開祖であり、もっとも重要な大名跡となります。

おそらくこの記事を読んでくれてる人の記憶にあるのは、5代目古今亭志ん生だと思います。

酒や貧乏であったことのエピソードも含めて、亡くなった現在でも人気の高い、五代目志ん生は誰もが認める昭和の名人でした。

そして二人の息子『古今亭志ん朝』『金原亭馬生』も落語家の道へ。

現在6代目古今亭志ん生はいませんが、やがて誰かが受け継ぐかもしれません。

スポンサーリンク

古今亭一門の勢力拡大に貢献した3人!

コンサート

現在の古今亭一門の拡大には『五代目古今亭志ん生』の3人弟子が大きく関わっています。

その3人とは『金原亭馬生』『古今亭志ん朝』『古今亭圓菊』。

金原亭馬生と古今亭志ん朝は古今亭志ん生の息子。

古今亭志ん生の弟子がさらに弟子を取り、『古今亭』と『金原亭』という巨大な古今亭一門を形成していきました。

ただ、今の古今亭を代表する落語家の古今亭菊之丞さんと古今亭文菊さんは、古今亭圓菊さんの弟子。

逆にいうと、古今亭志ん生の息子二人より、古今亭圓菊さんのほうが、現在の古今亭の勢力拡大には貢献してるといってもいいかもしれません。

ということでその三人のお弟子さんたちをご紹介します。

スポンサーリンク

五代目古今亭志ん朝とその弟子達

古今亭志ん朝

▼古今亭志ん朝プロフィール
生年月日/1938年3月10日
没年月日/2001年10月1日(63歳没)
弟子入り/1957年
三代目古今亭志ん朝に改名/1962年

いわずとしれた昭和のレジェンド落語家。このブログでも古今亭志ん朝の紹介記事のアクセスは現在でもかなり多いです。

2001年10月1日に63歳でなくなり、既に20年以上立っているのにやっぱり驚異の人気。

師匠の古今亭志ん生の息子として生まれながら、子供の頃は落語家ではなく役者になりたかったという志ん朝さん。

しかし、運命か血筋か結局1957年19歳で父親の弟子となり落語界に入ります。

お兄さんの金原亭馬生とは10歳違いです。

古今亭志ん朝の特徴
  • 初高座からわずか五年で真打昇進の天才
  • 八代目桂文楽・八代目林家正蔵・六代目三遊亭圓生・五代目古今亭志ん生(父親)・三木のり平らの影響を受ける
  • 立川談志とはライバル関係
スポンサーリンク

古今亭志ん朝の著名な弟子

古今亭志ん朝さんのご存命の弟子は古今亭志ん橋古今亭志ん輔など数人しかいません。

その中でも弟子を多くとったのが、古今亭志ん橋さん。7人ほどの弟子を取り、孫弟子もいるほど。

他の方はあまり弟子を積極的にとらなかったようです。

スポンサーリンク

十代目金原亭馬生とその弟子達

金原亭馬生

▼金原亭馬生プロフィール
生年月日/1928年1月5日
没年月日/1982年9月13日(54歳没)
弟子入り/1943年
十代目金原亭馬生に改名/1949年

古今亭志ん生の二人の息子のうちの一人。古今亭馬生は1942年に14歳で父親の志ん生の弟子となり、落語家になります。

弟の古今亭志ん朝は10歳年下。

実は入門一年後の1944年にのちに弟が名乗る『古今亭志ん朝』と改名しています。つまり初代古今亭志ん朝は兄の金原亭馬生さんでした。

1948年に真打に昇進し、十代目金原亭金原亭馬生を名乗ることになりました。

金原亭馬生の特徴
  • 14歳で父親の志ん生に弟子入り。
  • 稽古をつけてくれない父の代わりに、他の師匠から落語の稽古をしてもらい、演目の幅が大きい。
  • 人情噺が得意なら落語家。
  • 54歳という若さで惜しくも死去
スポンサーリンク

金原亭馬生の著名な弟子

金原亭と名のつく落語家は現在11人。馬生さんは9人ほどの弟子を取りました。

主な弟子は五街道雲助金原亭伯など。

特に有名なのは五街道雲助さん。弟子には現在の落語界で活躍する桃月庵白酒、隅田川馬石、蜃気楼龍玉などがいます。

なぜ亭号が違うのかは五街道雲助の方針。

伝統のある亭号にも関わらず、消えていってしまうような亭号を、真打昇進の際に弟子達に名付けるやり方。

このように実は金原亭一門は意外と、金原亭と名乗っていない落語家がたくさんいます。

五代目桂三木助、初音家左橋、むかし家今松、五街道雲助、三代目桃月庵白酒+弟子3人、隅田川馬石、蜃気楼龍玉、吉原朝馬

スポンサーリンク

古今亭圓菊とその弟子達

古今亭圓菊

▼古今亭圓菊プロフィール
生年月日/1928年4月29日
没年月日/2012年10月13日(84歳没)
弟子入り/1943年
二代目古今亭圓菊に改名/1966年

古今亭圓菊さんは三遊亭圓歌や三遊亭金馬さんと同時期に活躍した落語家さん。

超厳しい師匠として有名だった圓菊さん。そのためか優秀な弟子達を排出しています。

それが古今亭菊之丞(50歳)さんと古今亭文菊(44歳)さん。

まるで歌舞伎役者のような佇まいでどちらも品性があり、色気を醸し出す古典落語のエース。

なので女性の出てくる艶っぽい話や、人情噺は絶品。

古今亭文菊さんにいたっては2012年9月に28人抜きの真打になった注目の落語家。

古今亭圓菊の特徴
  • 志ん生の得意演目を多数継承。
  • コミカルさと「圓菊節」とももいわれる独特の口跡(喋り)で人気になった寄席の爆笑王
  • 弟子に厳しいがそれにより優秀な弟子を輩出
スポンサーリンク

古今亭圓菊の弟子『古今亭菊之丞』

古今亭菊之丞さんは現在50歳の落語家さん。

中学生の時から落語にハマり、落語クラブの部長になったり、寄席に通ったりするように。

1991年に高校卒業し二代目古今亭圓菊に入門し、その時から菊之丞。

数々の賞を総なめにした落語家。

●芸歴・受賞歴
1991年/千葉県立国分高校卒業
1991年/古今亭圓菊に入門
1991年/前座となる。前座名「菊之丞」
1994年/二ツ目昇進
1998年/北とぴあ若手落語家競演会大賞
2002年/NHK新人演芸大賞落語部門大賞
2003年/真打昇進
2020年/落語協会理事に就任
2008年・09年・11年/花形演芸会金賞
2017年/芸術祭賞優秀賞受賞

古今亭菊之丞の特徴
  • 気品・色気があり、江戸を感じさせる着物姿が似合う噺家
  • 色気のある女性や江戸の若旦那を演じさせたら絶品
  • 若手の頃から賞を総なめした古典落語の実力者
  • おっとり見せて豪快で気前がいい!
  • YouTubeやSNSも積極的に展開
スポンサーリンク

古今亭圓菊の弟子『古今亭文菊』

古今亭文菊さんは現在44歳の落語家さん。

2012年に入門わずか10年で28人抜きで真打に昇進した期待の落語家。

賞を総なめにし、プロの方からも実力を高く認められた存在。

その佇まいから落語好きでまっすぐ落語家を目指したストイックなタイプかと思えば、以外や以外、実は劇団にはいって俳優を目指したり、落語家になるのもなんとなくなど、掴みどころのない人物像。

●芸歴・受賞歴
2001年/学習院大学文学部卒業
2002年/古今亭圓菊に入門
2003年/前座となる。前座名「菊六」
2006年/二ツ目昇進
2008年/落語一番勝負若手落語家グランプリ
2009年/NHK新人演芸大賞
2012年/真打昇進 「古今亭文菊」と改
2012年/浅草芸能大賞新人賞受賞
2015年/文化庁芸術祭賞大衆芸能部門優秀賞
2020・21年/花形演芸大賞大賞受賞

古今亭文菊の評判
  • 古典落語の評判は高くあらゆる賞を総なめ
  • 芸の成熟やにじみ出る艶を感じさせる落語家
  • 登場人物を見事に演じ分ける
  • 入門わずか10年・28人抜きで真打に大抜擢昇進
スポンサーリンク

コメント