『加賀の千代』落語のあらすじと一之輔の動画＆朝顔の意味を解説！

初心者のために古典落語のあらすじをご紹介！

今回ご紹介する演目は『加賀の千代』。仲のよい隠居に金を借りておいてと言われる間抜けな亭主。気の強い女房はそんな亭主にあるアドバイスをさずけるのだが…。

『加賀の千代』のあらすじと感想

“駄目亭主に有能女房”

.滑稽噺.

簡単なあらすじ

近所での買い物はツケ払い（後払い）だった時代、大晦日はとにかく支払いに大忙し。

ただ貧乏で能天気な甚兵衛は、ツケ払いが残っているがお金が無い。女房は呆れて怒鳴りつけ、知り合いの隠居に10円を借りてきてと甚兵衛に命令。

だが、日頃からいつも金を借りてるご身分だから、とても隠居には頼みづらい雰囲気。もじもじしてると女房がどやす。

女房〉ちょっと、何してるの。ちゃっちゃと行っておいで。
甚兵衛〉いやー貸してくれるかなーっと思ってな。
女房〉大丈夫よ。あなたいつも可愛がってもらってるじゃない。
甚兵衛〉いつも迷惑かけてるだけだし、可愛がってもらってるってのもなぁ…。

女房〉いいかい、犬だって猫だって可哀想だからって、ただで餌もらってるのよ。あんたも可哀想な人間なんだから、いきゃあくれるわよ。それに世の中には色んな人がいて、花の朝顔を可愛がってるような人だっているんだから。
甚兵衛〉なんだいそれは？
女房〉昔、加賀の国に千代と言う人がいてね。その人が朝顔の茎を切るのは可哀想だっていって色々やったのよ。確か「朝顔や（に）つるべとられてもらひ水」っていう、有名な句も作ったり。とにかく早く行っておいで。

もう分かると思うがこの夫婦はカカア天下の家庭

さらに女房はアドバイス。

なるほど。自分にはもったいないほど賢い女房だ。納得した甚兵衛は隠居の所にいき、大金を貸してほしいとハッタリをかます。

すると隠居は「いくらだい？100円かい？」と応じる。逆に想定より大きく言われ動揺した甚兵衛。結局、正直に10円という。

隠居はそんな程度なら早くいえよというと、旦那はニヤッとして自信満々に語る。

隠居〉バカだね。バラしちまいやがって。ま、いいや。ほら10円だよ。それにしてもお前の女房は賢いな。
甚兵衛〉いつも悪いね。朝顔のようにかわいがってもらって。
隠居〉朝顔⁉なんの話だい。
甚兵衛〉千代って人の話。まあいいや、女房がうるさいから帰るよ。恩にきります。

そういって甚兵衛はそそくさと帰っていった。

隠居〉朝顔⁉千代⁉…。あ、加賀の千代のことか。つまり加賀の千代ならぬ“カカアの知恵”ってわけだ。

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