どんな噺が人気⁉人気の古典落語ランキング発表!浅草演芸ホール調べ

演目ランキング落語の演目あらすじ
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落語好きとしてふとアタマのなかに浮かんだのが、落語の高座で1番多く演じられてる演目はなんだろう? ということ。でも、それを調べようにもどうしたらいいのか。

そんなことを考えていたら、思い出しました!

浅草演芸ホールは毎日高座にかけられた演目をツイッターで知らせてくれてたなと。こんな感じで。

そこで1ヶ月どんな演目がどんな頻度で高座にかけられたか、浅草演芸ホールの2021年6月の1ヶ月間の演目を集計してみました。

はたしてトップは? 上位にはどんな演目が入っているのか? あるいは意外にも入っていないのか? みなさんの予想は?

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人気の古典落語演目ランキング

浅草演芸ホールの1ヶ月の公演の中で2回以上高座にかけられた演目のランキングです。

集計したのは浅草演芸ホール2021年6月中の演目。同一の落語家が同じ演目をかけた場合も1回とカウントしました。演目名も浅草演芸ホールのTwitterより参照させていただいています。

浅草演芸ホール演目ランキング
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1位「子ほめ」

公演回数:12回 演目数:1席

みなさん予想は当たりましたか。前座噺「子ほめ」がトップなのは、そうだろうなあ〜と改めて納得なのではないでしょうか。

簡単なあらすじ

ただ酒にありつきたい八つぁん。赤ちゃんが生まれたばかりの友達の所へ行って話すお世辞をご隠居から教わった。そうすれば、いい気分になった友達が酒をごちそうしてくれるかも…という。「子ほめ」は、ご隠居から教わったことをよそでそのまま再現しようとして、いざやってみるとまったく上手くいかない、という落語によくある典型的な展開の滑稽噺。

ご隠居が八つぁんに教えた、赤ちゃんに対するほめ言葉は「栴檀せんだんは双葉よりかんばしく、蛇は寸にしてその気を呑む。こんなお子様にわたしもあやかりたい」。

ちょっと難しいですが、栴檀せんだんとは植物の白檀びゃくだんのことで甘い香りがして爽やかな芳香を放つ。蛇はわずか一寸ほどでも人を呑むほどの気迫がある。つまりはどちらも、幼くして抜きん出た人物であることを讃えるたとえで、この含蓄のある言葉はもはや芳しいほどですね。

が、能天気な八つぁんがこれを理解できるはずもなく。。。と、笑いどころたっぷりの前座噺です。

2位「つる / 初天神 / お菊の皿」他

公演回数:8回
演目数:6
すべての演目:つる、初天神、お菊の皿、金明竹、真田小僧、たらちね

寄席の場合、最後を締めるトリを別にして、落語家の持ち時間は15分。ネタに入る前のマクラで5分くらい使うとして、残りは10分。

なので2〜7位=公演回数8〜3回あたりまでは、内容を端折ることのできる、長短を調整できる噺が多いですね。寄席を含めて落語会でもだいたいは前半に登場する噺です。

簡単な演目紹介
  • 【つる】昔「首なが鳥」といわれた(本当か?)つるの名前の由来をめぐる噺
  • 【初天神】縁日で父親が子供から飴玉や団子をねだられる噺
  • お菊の皿は歌舞伎の「番町皿屋敷」をパロディにしたちっとも怖くない怪談なので初夏に相応しい噺
  • 金明竹関西弁の超高速の長舌、落語で言うとことの「言い立て」が楽しい噺
  • 真田小僧利口な子供がおとっつぁんからお小遣いをだまし取る噺
  • たらちね若くてきれいで家具まで付いてきた女房の言葉遣いが度を越して丁寧な噺

以上。すべて、高座でよく話されるおなじみの落語です。

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3位「紙入れ / やかん」

公演回数:7回 演目数:2席

「紙入れ」は間抜けな男たちをまんまと自分の思惑どおりに操る、おかみさんの艶っぽさとしたたかさがキモ。これをたとえば立川談春が演じると、急にいい女が出現したかのように見えてしまう落語マジック。

「やかん」は知ったかぶりの隠居に八つぁんが物の名前の由来をいろいろ尋ね、隠居がこじつけの解釈でこれをかわし続ける噺。そのこじつけの面白さに加え、どんどん展開する話のリズムを楽しめます。

4位「たがや」「手紙無筆」「道灌」「ちりとてん」

公演回数:6回 演目数:4席

「たがや」の舞台は隅田川の花火でごった返す両国橋。身勝手な侍を相手に町人代表のたが屋の男がいかにも江戸っ子らしい小気味のいい啖呵を披露して、最後はやっつけてしまうという、弱いものを応援したくなる日本人の判官びいきの心情にバッチリはまる、これも夏の噺。

サゲの一言「た〜がや〜」は、花火が上がったときに見物人が叫ぶ、当時の花火師の屋号「た〜まや〜」のパロディです。

5位「粗忽の釘 / 粗忽長屋 / 青菜」他

公演回数:5回
演目数:9席
すべての演目:粗忽の釘、粗忽長屋、青菜、狸札、権助魚、代り目、看板の一、桃太郎、短命

「粗忽の釘」「粗忽長屋」という粗忽噺の傑作が揃って一ヶ月で5回。

「青菜」は前半夏の庭に涼風がふう〜と吹き、後半は狭い長屋でドタバタが繰り広げられる噺。柳家権太楼師匠の落語では、「ご精がでますな」というご隠居のその一言で、夏の庭の風景がパア〜ッと広がります。

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6位「猫の皿 / 饅頭こわい / 紀州」他

公演回数:4回
演目数:9席
すべての演目:猫の皿、饅頭こわい、紀州、猫と金魚、祇園祭、宮戸川、厩火事、一眼国、平林

5位「青菜」に続き、6位「祇園祭」が夏の噺。落語の入門者にうってつけの「饅頭こわい」はやはり人気の演目のようです。

7位「だくだく / 転失気 / 長短」他

公演回数3回
演目数:17席
すべての演目:だくだく、転失気、長短、権助芝居、出来心、味噌豆、芋俵、荒茶、権兵衛狸、ちはやふる、鰻屋、堀の内、無精床、浮世床、動物園、壺算、反対俥

「だくだく」は古今亭志ん橋師匠の高座が大好き! 師匠のややもったりした語り口が泥棒と八つぁんの「のつもり」コール&レスポンスにピッタリで、大爆笑させられます。

「転失気」は意地悪な和尚とずる賢い小僧のキャラクター合戦が秀逸な柳家喬太郎師匠の高座がおすすめです。

8位「鰻の幇間 / 火焔太鼓 / 子別れ」他

公演回数2回
演目数:32席
すべての演目鰻の幇間、火焔太鼓、子別れ、かぼちゃ屋、松山鏡、扇の的、天狗裁き、道具屋、蛇含草、魚根問、鼓ヶ滝、千両みかん、ねずみ、堪忍袋、熊の皮、あくび指南、締め込み、鮑のし、元犬、強情灸、転宅、たいこ腹、小言幸兵衛、牛ほめ、やかんなめ、辰巳の辻占、がまの油、富士詣り、お見立て、雑俳、寝床、置泥

8位=公演回数2回の演目となると「鰻の幇間」「火焔太鼓」「子別れ」「お見立て」といったトリでよくかかる長めのネタが増えています。が、短い噺や前座噺もちらほら。

「鰻の幇間」は桃月庵白酒師匠の高座がおすすめ。酒食を奢ってもらうつもりだったのに、逆にうなぎを奢るはめになった幇間(たいこもち)が、腹立ち紛れにうなぎやの女中にネチネチ小言をぶつけるシーンが、なんとも未練たっぷりで笑わずにはいられません。

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その他の分析結果

寄席での基本情報
1日の昼夜公演の落語家出演者数:約20人
2回以上演じられた演目:84席
1回しか演じられなかった演目:90席

意外と多く演じられた演目
「青菜」はコンパクトな噺ではないので、一ヶ月で5回というのはけっこう多いなあ、という印象です。前半・後半で場面がぐるっと変わり、それぞれで笑いどころも多いので、落語ファンに支持され続けている、ということなのだと思います。

意外と演じられなかった演目
前座噺の「子ほめ」が演じられる回数トップであるのは納得ですが、その内容から兄弟とも言えそうな「牛ほめ」がランク外の1回であったのはとても意外です。同じく、いとこのような内容のこれも前座噺「一目上がり」も1回でした。

内容はまったく違いますが、これもおなじみ「寿限無」も1回。
夏の噺の定番「船徳」「佃祭」あたりは、きっと7〜8月には高座にかけられるのだろうと思います。

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