春風亭の大名跡「春風亭柳枝」を継承した九代目春風亭柳枝。もと春風亭正太郎。
春風亭柳枝さんの目指す落語家像はスタンダード。
落語家好きで落語の知識量は半端ない。自分の名前を売るよりも落語を知って欲しいと話すほど落語そのものを愛している。
みんながイメージする「古典落語ってこういうものだよね、落語家さんってこういう人だよね」っていうものに近づきたいと語る。
そんな春風亭柳枝さんの経歴・評価・おすすめ演目を紹介します。
プロフィールと経歴
▼落語家になるまで&なった後
- 落語好きのきっかけは、落研出身の中学の先生が、文化祭で寄席をしたいといったのだが、だれも乗って来ずにかわいそうだったので「僕やります」と手を上げた。
- 文化祭で落語をやるために三遊亭圓生の「死神」を聞き感動。文化祭でやってみてうけて更にハマる。
- 高校時代は寄席や落語会に通い、テレビとラジオで落語三昧。
- 大学に入り憧れの落研に入るが、みんな漫才・コントで落語を演る人は少なかった。
- 2004年3月に明治学院大学文学部芸術学科(映画関係)を卒業して、塾講師へ。
- 塾講師の期間中もアマチュア落語家として敬老会で披露。そこであった同じアマチュア落語家のおじいさんに「落語家になってればよかった。後悔してる」と言われ、一大決心して落語家に。
- 2006年4月好きだった春風亭正朝に入門。
- 2006年11月に前座となる。前座名「正太郎」
- 2009年11月に二ツ目昇進
- 2015年9月に北とぴあ若手落語家競演会大賞受賞
- 2021年3月21日に真打昇進「九代目春風亭柳枝」を襲名。春風亭柳枝としての初高座は鈴本演芸場。
▼春風亭柳枝のエピソード集
- 落研の顧問が正朝師匠と知り合いで連絡をとってくれた。ただ正朝師匠は弟子をとらないという話だった。師匠とあうと「入門したい師匠を全部あげなさい」といわれ、5人ほど上げると「やりたいことはわかった。オレが取ってやってもいいぞ」と入門を許される。
- らくごカフェのオーナーと話してる時に、落語に誘ってくれた高校の先生がオーナーと同じ高校の落研の人だったと判明し、そのつてで落研の大先輩のさだまさしさんまで話がいく。
落研OB会に呼ばれ、先生と再会。さらにさださんが「面白いから贔屓にしよう」とみんなにいってくれ、その後応援してくれるように。 - 父親は真面目な人なので落語家になるのを反対された。今は認めてくれてる。
- 後輩たちから稽古を頼まれる落語家になりたいと願う。
- 慎重派だが古典落語を演じるときは、自分のエッセンスを少しでも取り入れたいと思い演じる。
- 趣味は漫画や似顔絵。読書、古典ミステリー研究、映画鑑賞。
▶春風亭正太郎の「ちりとてちん/化け物使い/星野屋/子別れ」の動画視聴
\今なら30日間無料でお申し込みOK/
... 落語動画見放題&聴き放題!...
Amazon Prime加入で
桂宮治、柳亭小痴楽、神田伯山、柳亭小痴楽、
瀧川鯉昇、桂宮治、古今亭菊之丞、
三遊亭白鳥、柳家喬太郎、三遊亭圓生
が見放題&聴き放題
▶詳しい解説はこちら◀
●落語・映画・TV番組・アニメ見放題!
●音楽&落語など200万曲聴き放題!
●ダウンロード&オフライン再生OK
春風亭柳枝の評価とオススメ演目
私が行った落語会より春風亭柳枝さんの魅力が詰まった落語をご紹介します。
ちなみに行ったのは、2021年8月24日「春風亭柳枝・桂宮治の二人会」と2021年9月7日「第146回 江戸川落語会」よりピックアップ!
『看板のピン』のあらすじと感想
マクラは、道楽亭も大変だが自分もコロナ禍で真打披露のパーティができずに大変だ、という話。
真打に昇進したのは21年3月。すでにパーティの予定を2回キャンセルし、2回目の予定はオリンピックとパラリンピックの間を狙い、8月21日の土曜日だった、そうな。
この時期あたりにはコロナもだいぶおさまっているだろう、というホテルの見立ては、当時からしても根拠の薄い楽観的な希望だったのでは? が、結局、希望や思惑などコロナには通用しなかった。。。
『看板のピン』のあらすじと感想
若い連中がチョボイチ賭博をやっている。チョボイチとはサイコロを1個だけ使って、一から六までの出る目を賭ける賭博。
そこに隠居した親分がやってくる。若い連中は親分に、胴元になってサイコロを振ってくれと頼む。親分は「俺は思うところあって、四十二で博打は辞めた」と言うものの、じゃあしょうがねえと「いいか。ツボ皿のなかのサイコロで勝負だぞ」とサイコロを入れたツボを振る。
「ツボ皿のなかのサイコロで勝負だ」「さあ、勝負だ。どんどん張れ」と親分。若い連中が見ると、伏せられたツボ皿のとなりにサイコロが出ていて、出ている目は一(ピン)。もうろくした親分は、そのサイコロに気づいていないらしい。
若い連中はこぞってピンに張る。なかにはふんどしのなかからへそくりの金を出す男も。
「俺の見るところ、ツボ皿のなかの目は、ぐ(五)だ」と親分がツボ皿を開けたところ、果たして目は五だった。「ツボ皿のなかのサイコロで勝負だ、と言ったはずだ」と親分の総取り。ピンのサイコロは看板(見せかけ)だった。
「お前たちから金を取る気はねえ」と親分。財布から金を出して「お前たち、これで、蕎麦でも食って帰れ」と言って帰っていった。
この場で親分のやり口に感心した若い男。これなら必ず儲かると、さっそく友達の賭場に行く。男は親分の口上をそっくり真似る。
男「四十二で博打は辞めたが」
友達「お前、まだ二十六じゃねえか」
男「歳をとると、目が遠くなって耳がかすむ」
友達「そりゃ、あべこべだろ」
と、いちいち突っ込まれるが、看板のピンを横にしてツボ皿を伏せるところまではできた。
「かまわねえから、どんどん張れえ」「いいか。ツボ皿のなかのサイコロで勝負だぞ」とツボ皿を開ける。
「ああっ、なかもピンだ」
親分を真似る男が元気いっぱいで、聴いていていい気分。
ラストは柳枝さん流の粋なアレンジがうまい。
男「だから言ったじゃねえか。勝負はツボの中だ」
友達「そんなの言ってねえよ」
男「ワオ! なかもピンだ」
これ、いいですねえ。
話を壊さない程度に自分流のエッセンスを入れ込む柳枝さんは素晴らしい。
▶春風亭正太郎の「ちりとてちん/化け物使い/星野屋/子別れ」の動画視聴
『七段目』のあらすじと感想
歌舞伎芝居が好きでたまらない大店の若旦那・考太郎。商用で出かけたが帰ってこないのは、どこかの芝居小屋に寄っているのだろう。やっと帰ってきた考太郎に父親は説教しようとするが、考太郎は芝居口調でごまかす。
父親にゲンコをくらい、二階に追いやられた考太郎。早速一人芝居に熱中し、ドタバタとやかましい。主人は静かにするようにと小僧の定吉を二階に行かせたものの、定吉もまた芝居好きだった。
考太郎と二人で『仮名手本忠臣蔵』の七段目『祇園一力茶屋の場』を演ってみようということになった。
定吉はおかる。考太郎はその兄・平右衛門。芝居を始めると、隣に住む三味線の師匠の弾く三味線の音も聴こえてきて、すこぶる本格的。やがて芝居に没頭した考太郎、本物の刀を抜いて、芝居の筋書き通り、刀を振り回す。
定吉は逃げ回り、階段で足を滑らせ下へ転落。
主人「さては芝居のマネごとをして、てっぺんから落ちたな」
定吉「いいえ、七段目」
父親にゲンコをくらった考太郎。「つぅ〜、あ痛ぁ〜」と素で痛がるものの、すぐに「どこのどなたか存じませぬが」と芝居口調に戻る。
その転換の面白さと、真剣に歌舞伎を演じれば演じるほど笑いが大きくなる。
そういうところが柳枝さんのうまいとこ
▶春風亭正太郎の「ちりとてちん/化け物使い/星野屋/子別れ」の動画視聴
『ねずみ』のあらすじと感想
稀代の名工、左甚五郎が、仙台城下で親子が営む小さな貧しい宿屋「鼠屋」に泊まった。その親子の物語に感じ入った甚五郎は、木彫りのねずみを丹精込めて彫り、親子に渡す。そのねずみはたらいのなかで動きまわり、宿屋に客を呼んだ。
やがて向かいのライバルの宿屋「虎屋」は仙台の名工、飯田丹下に虎の彫り物を依頼する。。。
『ねずみ』のあらすじ、詳しくはこちらをご覧ください。
落語家によっては重厚な印象を受けることもある『ねずみ』。
柳枝さんの『ねずみ』は自然、軽快で、肩の力を抜いて楽しめる落語でした。
▶春風亭正太郎の「ちりとてちん/化け物使い/星野屋/子別れ」の動画視聴
春風亭柳枝のスケジュール
春風亭柳枝のスケジュールを簡単に確認できるのがチケットぴあ。もちろん寄席だとかぴあで販売してないものは載ってません。ま、確実にチケットがあるなということはわかります。
\30日間無料!/
無料落語音源聴き放題!
... Amazon Music Unlimited ...
春風亭一之輔、柳家喬太郎、桃月庵白酒、
入船亭扇辰、三遊亭兼好、三遊亭圓生など
大量の落語が聞ける。
▶詳しい解説はこちら◀
●9,000万曲が聴き放題!
●ダウンロード&オフライン再生OK
●PC・スマホ・タブレットOK
コメント