柳家喬太郎の新作落語『午後の保健室』をご紹介。
この噺はちょっとしたどんでん返しにつぐ、どんでん返しが繰り広げられる噺。
『午後の保健室』のあらすじと感想
中学校の午後の保健室。
一人の男性がやってきた。
「いやー昨日全然寝れなくて辛かったんですが、保健室でしばらく休ませてもらって、だいぶ楽なりました。でもあれですな。ここは静かでいい。それにこんな美人な先生と二人っきりですからね」
年寄りのようなことをしゃべる男性。
保健室の先生はそれを聞いていう。
「もう、なにいってるの。遠藤くん、そんな喋り方しないで、普通にしゃべりなさい」
そう、じつはその男は年配の教師や校長などではなく、ただの生徒だった。
(聞いてる方は喋り方のみなのでここで騙される)
そこにもう一人の男が勢いよく駆け込んできた。
「やべよ先生、やべえ。まじで昼飯食った後、腹いたくて。めっちゃきつい。」
「あらあらどうしたんですか、大丈夫ですか。すごい苦しそうじゃないですか。よかったら腹痛の薬のみます?校長先生。」
今度は生徒ではなく、なんと校長先生だった。
(聞いてる方はここでまた騙される)
その後、女生徒が保健室の先生を部活へ誘いにやってきた。
「先生、みんな部員が集まりましたので部活にきてもらえますか?」
すると保健室の先生
「ヤバ!みんなもうきちゃってるんだー。もうそんな時間かぁ。わかった行こうー」と10代のようにキャピキャピした様子で部屋を出ていく。
保健室に残された生徒と校長。
生徒「いやー結構。あの先生も見かけも若いですが気持ちも若いですな」
校長「確かに。わけえよなぁ。まじで全然還暦には見えねえわ」
感想
裏切られるって快感『午後の保健室』
もちろん落語なので、顔も年齢も言葉のみで想像するしかないので、聴いている者の当然そうだろうという想像があっけなく三度くつがえされる。
喬太郎さんのその鮮やかさな裏切りは、聴いている者にとってまさに快感!
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